2020年現在、住宅取得支援策として、「住宅ローン控除」と「すまい給付金」制度というものがある。住宅ローン控除を使えば減税され、すまい給付金制度を使えば現金が給付されるので、住宅を購入するタイミングとしては恵まれていると言える。いったいいくらお得になるのか、年収と借入額別に計算してみよう。(フリージャーナリスト:福崎剛)
住宅ローン控除のしくみは?
住宅ローンを組んで、ようやく手に入れたマイホーム。毎月の住宅ローン返済のほか、固定資産税の負担もあり、家計の支出が増える心配もあるだけに、減税などは非常に助かる。
住宅ローン控除(減税)制度とは、住宅ローンを借り入れて住宅を取得した場合、年末のローン残高または住宅の取得対価のうち、いずれか少ない方の金額の1%が、10年間にわたり所得税から控除されるというものだ。「住宅ローン減税」や「住宅借入金等特別控除」ともいわれている。
その住宅ローン控除は、「税額控除」といって、所得税から控除額分が差し引かれるもの。これは納税者にとって大きな減税インパクトがあるので、使わない手はない。まずは、その住宅ローン控除のしくみを簡単に説明しよう。
1.年末の住宅ローン残高×1%が、10年間にわたり所得税から控除 会社員なら、給与から基礎控除や社会保険料、生命保険料などの控除が差し引かれ、最終的な所得税が算出されているが、住宅ローン控除を使えば、この算出された所得税から控除分が差し引かれる。これが、「税額控除」だ。払い過ぎた税金があれば、年末調整などで差額が還付されることになる。その額は、年間最大40万円だ。
住宅ローン残高がある限り、最低10年間は減税されるのだが、具体的にどのような計算になるのか、下記の例で見てみよう。
【例1】所得税が50万円、年末の住宅ローン残高が4,000万円だった場合
住宅ローン残高の1%にあたる40万円が住宅ローン控除額として計上できるので、最終的な所得税は「50万円-40万円=10万円」しかかからない。 この例の場合、翌年の住宅ローン残高が3,900万円になっていたとすれば、その1%にあたる39万円分が所得税から控除され、翌年の所得税は「50万円-39万円=11万円」になる。
2.所得税から控除しきれない場合には、住民税からも一部控除される 住宅ローン控除額(住宅ローン残高×1%)が、年間の所得税額よりも大きい場合、所得税は0になり、控除しきれなかった額は住民税から一部控除される。
【例2】所得税が30万円で、年末の住宅ローン残高が4,000万円の場合
住宅ローン残高の1%にあたる40万円が、所得税から差し引かれるので、「30万円-40万円=-10万円」となり、所得税は0円。さらに、余った控除額は住民税から差し引かれるので、住民税が12万円だとすれば、翌年の住民税は「12万円-10万円=2万円」。
所得税と住民税で合計42万円の減税となる。 なお、住民税から控除できる金額の上限は13.65万円と決まっている。仮に20万円控除額が余っていたとしても、住民税から差し引けるのは13.65万円まで。さらに余っている控除額は無効となる。
【例1】【例2】のいずれも、住宅ローン控除によって、所得税が(控除額が余った場合は、住民税も)大幅に減額されたことが分かるだろう。毎年支払う税金が数十万円単位で軽減されるのだから、住宅ローン控除のメリットは非常に大きい。
3.住宅ローン控除の上限 住宅ローン控除額は、対象となる物件の種類によって上限額が異なる。その区分は以下の3パターン。
(1)新築・未使用物件(一般住宅):年間40万円×10年間の合計400万円まで
(2)新築・未使用物件(認定住宅):年間50万円×10年間の合計500万円まで
(3)中古住宅(消費税が非課税の住宅):年間20万円×10年間の合計200万円まで
(2)の認定住宅とは、行政から認定を受けた住宅のことで「認定長期優良住宅」「認定低炭素住宅」の2つの種類がある。
認定長期優良住宅とは、長く安心して住める家として一定の基準を満たしている住宅のこと。劣化対策やバリアフリー対策の有無、長期修繕計画の策定などが条件だ。一方、認定低炭素住宅とは、二酸化炭素の排出量を抑える設備が整った住宅。生活していくうえでの消費エネルギー量が認定基準となる。どちらも、所管行政庁(都道府県、市または区)に申請・認定を受けることが必要だ。
認定住宅だと、新築(一般住宅)の場合よりも、10年間で最大100万円も控除額が増える。これは、「長く住める住宅・省エネ対策につながる住宅を増やそう」という方針があり、国が購入を後押ししているからだ。
中古住宅については、不動産仲介会社を通じて前の持ち主から住宅を購入する「個人間取引」が主流。個人間取引の場合は、消費税はかからない。なので、中古住宅を買った人の多くが、(3)中古住宅(消費税が非課税の住宅)に当てはまる。
4. 2020年12月までに入居すれば、控除期間が13年に延長される 住宅ローン控除の対象期間は通常10年間。しかし、現在は「居住開始時期が2019年10月1日~2020年12月31日」「消費税10%の住宅を取得」という2つの要件を満たせば、控除期間が3年間延長され、合計13年間となる。
ちなみに、11年目から13年目の控除額は、10年目までの計算式とは違った式で算出されるので注意しよう。
【11年目~13年目の住宅ローン控除金額】
以下の(1)(2)のうち、いずれか少ない方の金額が3年間にわたり控除される。
(1)住宅ローン残高又は住宅の取得対価(上限4,000万円※)のうちいずれか少ない方の金額の1%
(2)建物の取得価格(上限4,000万円※)の2%÷3
※ 認定住宅の場合は、5,000万円 なお、中古住宅(消費税が非課税)の場合は、延長制度の対象外となっているため今年中に購入したとしても、住宅ローン控除の適用期間は10年間だ。
5.住宅ローン控除制度利用の要件 住宅ローン控除の対象となるのは、新築・中古住宅の購入だけではなく、大規模なリフォームも含まれている。
【住宅ローン控除の対象】
・新築(注文住宅、建売住宅、分譲マンション)
・中古(戸建住宅、分譲マンション)
・リフォーム(増改築、省エネ改修、バリアフリー改修)
・土地(土地のみは不可) なお、リフォームについては工事費が100万円以上であることが必要だ。また、土地のみの取得の場合は、たとえ住宅ローンを組んで購入した場合でも、住宅ローン控除は適用されない。
また、下記の要件も加わる。
【住宅ローン控除の適用要件】
・自身が居住する住宅であること
・床面積が50㎡以上
・(中古住宅の場合)築年数が一定年数以下※、もしくは耐震性能がある
・住宅ローンの借入期間が10年以上
・その年の合計所得金額が3,000万円以下
※対象となる物件が耐火建築物かどうかで、築年数の基準が決まる。木造などの場合は築20年以内、鉄筋コンクリート造などの場合は築25年以内。 セカンドハウスや親のために建てた物件など、住宅ローンを組んだ本人が居住する住宅でないものは対象外になる。また、合計所得が3,000万円以上になる年は、住宅ローン控除を受けることができないので注意しよう。
6.住宅ローン控除を受け取るには、確定申告が必要! ところで、住宅ローン控除を受けるためには、確定申告して必要書類を提出しなければならないので、住宅を購入したら忘れずに手続きをしておこう。会社員の場合、住宅を購入した初年度に確定申告をしておけば、次年度以降は、年末調整で対応することができるので、手軽な制度だと言えるだろう。
【関連記事はこちら】>>住宅ローン控除に不可欠な「確定申告」は怖くない!
申告期間、必要書類などのポイントを解説
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April 12, 2020 at 11:12AM
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