新じゃがいもは皮が薄くみずみずしいのが特徴 撮影:邑口京一郎
通年見かけるじゃがいもですが、春先の「新もの」はちょっと特別。みずみずしい味わいは、この時期ならではのおいしさです。医学博士で管理栄養士の本多京子(ほんだ・きょうこ)さんが、新じゃがいもの栄養とおすすめの調理方法を教えてくれました。
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貯蔵せずに掘りたてを出荷するから皮が薄くみずみずしい
収穫後、貯蔵期間を経て通年出荷されるじゃがいもに対して、新じゃがいもは、収穫後、貯蔵されずにすぐ出荷される掘りたてのじゃがいものことをいいます。
新じゃがいもは皮が薄くみずみずしいのが特徴で、早いものでは2月ごろから出回ります。この時期の新じゃがいもの多くは長崎や鹿児島など九州産です。7月くらいから出回る夏の新じゃがいももありますが、こちらは北海道産がほとんどです。品種はさまざまですが、春に出回る新じゃがいもは長崎産の「ニシユタカ」という品種が多いようです。小ぶりなものも多く、丸ごと調理されることも多くあります。
皮ごと食べて、ビタミンCを効率的にとりたい
じゃがいもの主成分はデンプンですが、100g あたりのエネルギーは76kcal。サツマイモは100g あたり134kcalですから、さつまいもに比べてかなり低カロリーです。
ビタミンCが豊富なことも、じゃがいもの特徴。フランス語でじゃがいものことを「大地のりんご」と呼びますが、同量のりんごに比べてビタミンCを9倍近くも含み、これは100g あたりの温州みかんと同量のビタミンC 量です。
さらにじゃがいものビタミンCはでんぷんに包まれているので、フライドポテトなどにしても損失が少なく抑えられます。特にとれたての新じゃがいもは、ビタミンC をより多く含みます。またビタミンCは皮の近くに多く含まれるので、皮が薄く皮ごと食べられる新じゃがいもは、ビタミンCを効率的にとれる食材の一つです。
カリウムも豊富です。カリウムは体内の余分な塩分を調節して、高血圧を防ぎます。筋肉の収縮にも関係していて、夏に大量の発汗などで足りなくなると、疲れやすくなります。カリウムは水溶性で、調理による損失も多いのですが、電子レンジや蒸し器で加熱すれば、損失を少なく抑えられます。
じゃがいもの芽や、皮が緑がかった部分には、ソラニンなど毒性のある成分が含まれ、中毒を引き起こす原因になります。これらは、虫に食べられないようにと野菜が身を守るためにつくり出した成分です。発芽部分に多いので、芽や緑の部分はしっかり取り除いてから調理するようにしましょう。光が当たらない場所に保存することも大切です。
■『NHK趣味どきっ! カラダ喜ぶ 春ベジらいふ 』より
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April 20, 2020 at 06:00AM
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