今年の新入社員は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大で何かと影響を受け、不安を感じる人も少なくないと思います。しかし、学生から社会人になるときは人生でも大きな節目の一つ。社会人になると学生時代よりお金の面でも自由度が増す代わりに自分で何もかもやらなければならなくなります。
そんな新入社員がつまずきやすいのが「貯金」。GMOあおぞらネット銀行株式会社が実施した「大学4年生・社会人1年生1000人の懐事情 マネーに関する調査2020 『貯蓄事情』と『銀行選び』」によると、社会人1年生の貯蓄額で最も多かったのが「100~300万円未満」。しかし、以下のように貯蓄額にはばらつきがあり、お金が貯められる人とそうでない人に差があることがわかります。
・0円(貯蓄はない)(13.2%)
・10万円~30万円未満(14.2%)
・50万円~100万円未満(15.8%)
・100万円~300万円未満(20.0%)
この先も長く付き合っていく必要がある「貯金」だからこそ、最初が肝心。そこで今回は、金融機関勤務でFP資格を持つ筆者が、新入社員が貯金のためにやるべきことを紹介します。
1. 生活に必要な資金のイメージを掴む
学生から社会人になるときには生活が大きく変わります。実家で暮らしていた人が家を出て一人暮らしを始めたり、会社の寮に入ることもあります。
このように、「住む場所を自分のお金で確保する」という経験を初めてする人も少なくないのではないでしょうか。これの何が大変かと言うと、お金を管理すること。当然ながら、払えるお金がなくなって家賃を払えなくなれば、出ていかなければなりません。
学生時代から一人暮らしをしていた人ならば、新生活にかかるお金がいくらくらいか大体の見当がつくかもしれません。しかし、初めて一人暮らしをする場合は、金額の想像がつかないこともあるかもしれません。まずは、生活に必要な出費の項目やおおよその金額を下調べして、確認しておくことが大事です。
また、学生時代から一人暮らしをしていた人も、油断してはいけません。たとえば、住む場所が変われば家賃相場も変わりますし、仕事で帰りが遅くなると自分でご飯を作る元気もなくなって外食が増える可能性もあります。
社会人になると、飲み会など人付き合いの出費が多くなるかもしれませんし、身なりに気を遣わなくてはならないために被服費が多くかかるかもしれません。そのあたりを意識して、予算配分を行う必要があるのです。
可能なら、大学時代の先輩ですでに社会人になっている人や、入った会社で年の近い先輩に聞いてみてもいいでしょう。「毎月食費っていくらぐらいかかりますか?」とか、「スーツって何着くらいを着まわしていますか?」とか、「部署の飲み会って毎月何回ぐらいありますか?」などの質問をしてみれば、なんとなく生活費のイメージが湧いてくるはずです。
聞く相手が自分と似たタイプであればなおさらいいでしょう。自分は自炊をしないのに自炊ができる人に聞いたり、自分は一人暮らしなのに実家暮らしの人に聞いたりすると、現実にそぐわない回答が返ってくる場合もあるからです。参考になるような相手に話を聞くことが大前提です。
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