Sunday, January 26, 2020

【RX-7 300万円、80スープラ400万円…】あのころ憧れたクルマは今いくら? | 自動車情報誌「ベストカー」 - ベストカーWeb

 学生時代や20代の頃、当時憧れていたクルマは、価格が高くて、とてもじゃないが買えなかった……、というクルマ好きが多いのではないだろうか。

 それから20年、30年以上経って、ようやく余裕が出てきて、昔、憧れたクルマを買いたいと思っている人もいることだろう。

 そんな人のために、40代、50代、60代、70代の4つ世代に分けて、それぞれの年代の人たちが憧れたクルマをピックアップし、そのクルマが今いくらで売られているのか、徹底調査してみた。

文/伊達軍曹
写真/ベストカーWEB

【画像ギャラリー】40代~70代・年代別憧れた日本の名車詳細写真


【40代】マツダ RX-7(3代目FD3S)/1991年10月~2002年8月

最終モデルのFD3S、スピリットRタイプA

 ひと口に40代といっても、実際の年齢は40歳から49歳までさまざま。ざっくりいってしまえば「1990年代半ば頃」が、現在40代な各位の青春ど真ん中というか「クルマ的思春期」であったはずだ。

 その頃の若衆が憧れまくったクルマといえば、まずはFD3Sこと3代目のマツダ RX-7が思い浮かぶ。

 FDは人気マンガなどの影響で平成生まれの若者にも一部で人気だが、1990年代前半に「パワーウェイトレシオ4.9kg/ps!」のロータリースポーツ誕生をリアルタイムで見届けた世代が受けたインパクトは、平成世代がマンガから受けた衝撃の比ではない。

 3代目RX-7の新車時価格はグレードによってさまざまだが、おおむね290万~420万円ほど。カタギの若衆が簡単に買える値段ではなかった。だが今となっては、その中古車相場は140万円前後から。もちろん最終年式近くの低走行物件は400万~600万円ぐらいとなるが、100万円台の物件も全国で30台以上が流通している。

上の写真をクリックするとRX-7の中古車情報が見られます!

【40代】トヨタチェイサーツアラーV(5代目JZX100系)/1996年9月~2001年10月

280psの直6ターボにMTを組みわせたスーパーセダン、JZX100系チェイサーツアラーV

 1990年代半ばといえば、現在と違ってマツダRX-7のようなスポーツカーもガチで人気が高かったが、それと同時に多くの若衆が「スポーツセダン」に憧れた時代でもあった。

 その最右翼がトヨタ マークIIおよびクレスタ、チェイサーの「マークII 3兄弟」で、3兄弟のなかでもっともスポーティなキャラクターが与えられていた最終型(5代目)チェイサーの、さらにその中でもホットグレードだった「ツアラーV」には、今40代の各位も青年時代、「いつかはツアラーV!」と胸に誓っていたかもしれない。

 心臓は2.5Lの1JZ-GTE型直列6気筒DOHCターボだ。最高出力280psは変わらないが、VVT-iを採用することによって実用域で分厚いトルクを発生する。当然、高回転ではターボならではの鋭いパンチと力強い伸びを堪能できた。

 5速MT車がツアラーVの販売の3分の1を占めたことからも、楽しいクルマだったことが分かる。4輪ダブルウイッシュボーンのサスペンションもいい仕上がりだ。意のままの気持ちいい走りを満喫できる

 とはいえ最終型チェイサーツアラーVの新車価格は300万円を軽く超えていたため、基本的には「誓っただけ」で終わった人のほうが多いはず。

 だが現在の中古車相場はなんと約20万円からで、ボリュームゾーンは150万円前後。40代男ならではの財力を駆使し、今日明日にでも買ってしまいたくなる相場だと言える。なかにはフルノーマル、5.4万kmで程度のいいツアラーVが285万円で売られているから恐ろしい。

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【40代】トヨタスープラ(2代目A80型)/1993年5月~2002年8月

80スープラの人気はいまだに衰えない

 ここ最近は17年ぶりに復活した新型スープラが話題を集めており、それはそれで40代男として気になるところだが、「昔憧れたけど高くて買えなかったクルマ」といえば、1993年に発売されたA80型こと2代目のトヨタ スープラである。

 まるでアメフト選手のような「ガタイは巨大なのに動きは超俊敏!」というのが80スープラの魅力で、最高出力280psの3L直6、2ウェイツインターボエンジンにも当時の青年たちは鼻血を流した。

 280psグレードの新車時価格は400万円を軽く超えていたわけだが、今となっては中古車相場は……決してお手頃ではない。具体的には最安値でも230万円ほどで、最高値は700万円オーバー。ボリュームゾーンは「400万円台」である。

 この高値は、新型スープラが話題となったことで先代の相場もやや上がってしまったことと、映画「ワイルド・スピード」の主人公が劇中で80スープラに乗っていたことから、そもそも世界的にずっと人気が高い……というのが理由だ。

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【50代】トヨタソアラ(2代目)/1986年1月~1991年5月

販売期間がバブル期と重なったため発売から約5年間で30万台以上を売り上げる大ヒット作となった。グレードは下からVZ、VX、2.0GT、2.0GTツインターボ、3.0GT、3.0GTリミテッド。エンジンラインナップは2Lが1G-EU、1G-GEU、1G-GTEU、3Lが7M-GTEUをラインアップ。7M-GTEUはターボと空冷インタークーラー装着により当時日本のメーカーでは最高の230ps/33.0kgm(SAEネット値)を発生していた

 今現在40代の人の「クルマ的青春ど真ん中」が1990年代半ば頃であるとしたら、50代の人のそれは「1980年代半ば頃」ということになる。テレビ画面では「オレたちひょうきん族」が流れ、世の中全体としてはバブル前夜あるいはバブル初期だった時代だ。

 その時代の若衆が「憧れたけど買えなかったクルマ」としては、2代目トヨタ ソアラが筆頭に挙げられよう。

 NTT株の新規上場で世間が大騒ぎになっていた1986年初頭に発売された2代目ソアラ。その3.0GTが搭載した7M-GTEUエンジンは、ターボチャージャーとインタークーラーにより当時国産車としては最強の240psを発生。

 当然ながら多くの若衆がそれを欲したが、支払総額で400万円を軽く超えるソアラ3.0GTを買える(もしくは買ってもらえる)若者はひと握りでしかなかった。

 だがそんな2代目ソアラも、現在の中古車相場は50万円前後からで、3.0GT/3.0GTボリュームゾーンは100万円前後。「果たせなかった夢を今こそ……」と夢想してしまいがちな相場といえよう。

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【50代】トヨタセリカXX(2代目)/1981年7月~1986年2月

シャープな造形とリトラクタブルヘッドライトのエクステリアに憧れた人も多かったのではないでしょうか。写真はCd値0.35とソアラよりも優れた空力特性と前面投影面積の小ささで日本車としては久々となる200km/hオーバーを記録した2800GT

 2代目トヨタ セリカXXも「憧れてました」という50代男が多いクルマだ。というか、こちらのクルマは1981年のデビューであるため、正確には「中学生ぐらいから2代目XXに憧れていて、18歳になったらさっそく買ってやろうと思っていたのですが、実際は高くてなかなか……」という感じだろうか。

 1978年登場の初代XXはややゴテゴテとしたデザインだったが、こちら2代目はシンプルな直線基調のクーペフォルムと「男の憧れナンバーワン」と言える(?)リトラクタブルヘッドライトにより、今見てもかなりカッコいい。

 ちなみにリトラクタブルヘッドライトを採用したおかげで2代目セリカXXのCD値は0.35と、その空力特性はソアラより優れている。そして最高速度は夢の200km/hオーバーだ。

 現在の中古車相場は160万~320万円といったところ。流通量は少なめだが、前オーナーや販売店による気合の入ったレストアが施された物件がほとんどなため、当時の「憧れ」を「現実」に変えたいと本気で思っているならば、探してみる価値はある。

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【50代】ホンダプレリュード(2代目)/1982年11月~1987年4月

今50代の人にとってデートカーといえば高額だったソアラよりも2代目プレリュードだったのではないだろうか。今思えば当時カッコよくて免許を持っている20代なら誰しもが憧れていたクルマでした

 1980年代は、2代目ソアラなどの比較的ガチなハイパワーモデルに憧れていた青年が多かった。しかし同様に多かったのが、いや、たぶんそれ以上に多かったのが、「デートカーを買って女の子とヨロシクしたい」と熱望していたものの、当時はそれを果たせなかった純情青年諸君だ。

 1980年代半ばに隆盛をきわめていたデートカーといえば、なんといっても2代目ホンダ プレリュード。

 低くスタイリッシュなクーペフォルム+リトラクタブルヘッドライトは(当時)女子ウケが良く、125psの程よい1.8Lエンジンも、峠はさておきデートには最適だった。

 そして新車価格も200万円前後とお手頃だったわけだが……それを「お手頃」とは思えないビンボー青年のほうが当時は多かったはず。

 「アノウラミハラサデオクベキカ……」ということで2代目プレリュードを今になって買い、モテなかった頃(?)のリベンジをするのもいい。

 だがその中古車は超希少だ。筆者が確認した限りでは全国で3台のみが販売されており、相場は70万~90万円前後。ただし、屋内保管のワンオーナー車には200万円級の値札が付いている。

助手席のリクラニング機構のレバーが助手席の運転席側にあり、運転席に座る男がこのリクライニングレバーを使って女の子が座る助手席の背もたれを倒すことができた

【60代】トヨタセリカ(初代)/1970年12月~1977年8月

初代セリカのキャッチフレーズは「未来の国からやってきたセリカ」。アメリカで大成功したマスタングに倣って、好みのエンジン、変速機、内装を自由に選べる“フルチョイス”と呼ばれるシステムを採用 。写真は1600GT

 現在60代の方が自動車的な思春期を過ごした時代は、1970年代半ば頃であるはず。紅茶キノコがブームとなり、かの3億円事件の時効が成立したあたりだ。

 そして車関係で言うと、シビアな排ガス規制はあったものの、国産スポーティカーの実力やデザイン性がどんどん上がりはじめた時期でもある。

 そんななか、多くの「当時の若者」が憧れた車のひとつが初代トヨタ セリカだった。まずは「ダルマセリカ」と俗に呼ばれたノッチバッククーペとして1970年に登場し、1973年にはテールゲートを備えたリフトバック(LB)が登場。

 前述の排ガス規制により性能ウンヌンについては微妙な点もあったが、この時代のセリカのデザインは、50代男の自動車観における「永遠の原点」になっている場合も多いはず。

 現在の中古車相場は……「応談」ばかりで今ひとつわかりにくいのだが、どうやらダルマもLBも250万~270万円付近である場合が多いようだ。

1973年4月に登場したセリカリフトバック
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【60代】いすゞ 117クーペ/1968年12月~1981年5月

1968年12月から3年間で2458台が生産された117クーペ前期のハンドメイドモデル

 先ほど初代セリカを「50代男の自動車観における永遠の原点」と表現したが、「いや、俺にとっての原点はセリカじゃなくてコレだね」とおっしゃる方も多いかもしれない。1968年から1981年までの長きにわたり販売された名作、いすゞ 117クーペである。

 イタリアの巨匠、ジョルジェット・ジウジアーロが作り上げた117クーペのコンセプトとスタイリングは2020年の視点から見ても何ら古びていないせいか、今なおディープな117クーペ愛好家は多い。

 50代男にとってドンピシャな「青春グルマ」は、俗にハンドメイドと呼ばれる前期型ではなく、1973年から1976年の丸目4灯中期型だろう。

 いすゞ 117クーペの中古車相場は80万~約400万円と極端に上下に幅広いが、かなり高額なのは1968年12月から3年間で2458台が生産された前期のハンドメイドモデル。現在販売されているハンドメイドモデルは全国に1台で398万円。

 専門店が販売している丸目の中期(1973年3月~1977年12月)、角目の後期型(1977年12月~1981年5月)の117クーペは140万~180万円ぐらいで販売されている。

丸目の中期(1973年3月~1977年12月)モデル
117クーペ角目の後期モデル(1977年12月~1981年5月)

【60代】トヨタカローラレビン(TE27)/1972年3月~1974年3月

セリカ1600GTから移植された115ps(グロス値)を発生する2T-G型 1.6L直4DOHCエンジンが搭載された。正確にいえば、レギュラー仕様の2T-GR型 (110ps) と有鉛ガソリン仕様の2T-G型(115ps:グロス値)が設定されていた

 ダルマセリカの1600GTに搭載されていた強力な2T-G型DOHCエンジンを小さなカローラに移植した車、すなわちTE27こと初代トヨタカローラレビンも、「果たせなかった憧れ」である。

 ベーシックなカローラのエンジンが最高出力80psであったのに対して、TE27の2T-Gは110ps。それでいてダルマセリカより車重が100kgほど軽かった初代レビンは、当時としては鬼のような速さを誇った。

 そして175/70R13という(当時としては)ワイドなタイヤを収めるためのオーバーフェンダーの迫力も相まって、硬派な走りを愛する(当時の)若衆から絶大な支持を集めたのだ。

 だが日本全体がまだまだ貧乏だった当時、買えない若者のほうが多かった。そして当時の憧れを今こそ現実に……と言いたいところだが、セミクラシックカーとして大人気なTE27はけっこう高く、中古車相場は320万~380万円といったところ。BMWの高年式中古車と似たようなプライスなのだ。

【70代】いすゞ ベレットGT&GTR/1964年4月~1973年9月

DOHCエンジンを積んだベレットGTRは他の車種に比べると中古車価格は暴騰していない

 70代というと、お若い人からは「単なるおじいちゃん」に見えるかもしれないが、その認識は間違っている。というか、おじいちゃんは「最初からおじいちゃんだった」わけではない。

 今現在70代の人が青春時代を過ごしたのは1960年代半ば頃。70代のおじいちゃんは当時、20歳前後の若者としてビートルズの真似をしてパンタロンを履き、ミニスカブーム真っ只中の同世代女子に熱視線を送っていたのだ。

 そんな時代に青年たちの憧れだった車のひとつが、「ベレG」こといすゞベレットGT。1963年に登場したいすゞ ベレットのPR20をベースとする2ドアのスポーツクーペとして1964年4月に登場した。

 そして、その高性能版たる伝説の名車がベレットGTR(ベレットGT・TypeR)。117クーペ用に開発された1.6L、直4DOHCのG161W型エンジンをベレットGに移植。ソレックス/三国のキャブレターを2連装して、120ps/14.5kgmを誇った。

 これは先発のライバル、トヨタ1600GT(RT55)をパワーで10ps、190km/hの最高速度は15km/hも上回り、1.6Lクラスで第一級のスペックとなった。

 憧れていたベレGおよびベレットGTRを今にして買おうと思うならば、相場は150万~300万円というのがひとつの目安。

 ベレットGTRはタマ数が少なく、現在流通しているのは255万円と280万円の2台。

 ベレGおよびベレットGTRの流通量は決して多くないが、暴騰しているわけでもない。熱心な専門店がレストアしながら販売を続けている。

【70代】マツダ コスモスポーツ/1967年5月~1972年

コスモスポーツの前期型L10Aには、10A型ロータリーエンジン(491 cc ×2)が搭載され、110ps/13.3kgmを発生、車重は940kgと軽量だった。 1968年7月には早くもマイナーチェンジが行われて128ps/14.2kgmとなり、最高速は185 km/h から200 km/hに、0~400m加速も16.3秒 → 15.8秒となった

 これは「手が届きそうで届かない憧れ」というより「宇宙船レベルの現実離れした夢」だった。だがとにかく1967年に登場したマツダ コスモスポーツも、1960年代を「車好きな若衆」として過ごした人間にとっては永遠の憧れである。また余談ではあるが、1970年代に少年期を過ごした人間は「帰ってきたウルトラマンのマットビハイクル」としてコレに憧れた。

 余談はさておき、世界初の実用量産ロータリーエンジン搭載車であったコスモスポーツの新車時価格は150万円前後であったため、今の感覚でその数字を見ると「安いじゃん」と感じるかもしれない。

 だが1967年といえば大卒初任給が3万円ぐらいだった時代。それゆえ当時の150万円は現在の1000万円ぐらいに相当する。若者が、というか普通の人間が買える車ではなかったのだ。

 そしてマツダ コスモスポーツは今なお「普通の人間が買えるクルマ」ではない。現在の中古車相場は「1200万円以上」といったところで、著名芸能人や財界人などの愛車(の1台)となっているケースが多い。

【70代】日産 シルビア(初代)/1965年4月~1968年6月

クリスプカットと呼ばれた美しいデザインが特徴の初代シルビア。継ぎ目を極力減らしたボディパネルなど意欲作だったが、美しいルックスには不釣合いなタフな乗り心地や120万円という高価格(当時のサニーの2倍に相当)もあり、商業的には成功したとはいえなかった

 これまたコスモスポーツ同様に「雲の上すぎる存在」だったかもしれないが、初代日産シルビアの美しすぎるフォルムとたたずまいに悶絶した当時の若者も多かったはず。

 車台とエンジンはSP310型ダットサン フェアレディ1600をベースとしたもので、フロントサスペンションはダブルウィッシュボーン式。日産車として初めて「ディスクブレーキ」が採用されたクルマでもあった。

 そしてセミハンドメイドで554台のみが生産された初代シルビアは、なんと言っても「クリスプカット」と呼ばれる、継ぎ目がほとんどないボディパネルが特徴的だ。そこを含めて、なんとも美しい車である。

 とはいえ「当時の憧れを今こそ!」とばかりに初代シルビアを買うのは簡単ではない。筆者が確認した限りでは、初代日産シルビアはそもそも3台ほどしか流通しておらず、その車両価格は900万円レベル。

 現在70代の人が青年期を過ごした時代のクルマは、もはや「クラシックカーに近い」という状況になっているため、どうしたって高額になる。

 ……この世代の人が「今にして夢をかなえる」のは、なかなか難しい作業とならざるを得ないのだ。

【画像ギャラリー】40代~70代・年代別憧れた日本の名車詳細写真

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January 27, 2020 at 05:00AM
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