Monday, January 27, 2020

「iPhoneをアメリカで作ったら、一体いくらになる?」問題─対中関税案で再び話題に(クーリエ・ジャポン) - Yahoo!ニュース

オバマ前大統領も気になっていた「なぜ、国内生産できない?」

私が大統領になったら「アップル商品を、すべて国内製造にする」「他国ではなく、自国で作るのだ!」「製造業をアメリカに取り戻す」と、16年の大統領予備選のときから度々発言してきたトランプ大統領。

2020年現在、それはまだ実現されていないが、仮に実現したらiPhoneの価格は、いくらになるのだろうか?

ちなみに、iPhone国内生産への夢を語った大統領はトランプ大統領がはじめてではない。オバマ前大統領もである。

2012年に「ニューヨーク・タイムズ」が報じたところによると、11年に開かれたプライベート・ディナーの席で、オバマ前大統領はスティーブ・ジョブズに「なぜアップルはiPhoneをアメリカで製造できないのでしょうか」、コンピューターやスマートフォンの製造は「なぜ、我が国に戻すことができないのでしょうか」と、たずねたとのこと。

その場のディナー参加者の証言によると、この質問に対するジョブズの回答は「そのような製造業は二度と戻ってこない」だったと報じられている。

のちにアップルCEOに就任したティム・クックに、米「NBCナイトリーニュース」が同じ質問をしたところ彼はこう応じたと、同メディアは報じている。

「もともとアップル製品の多くは、アメリカ産だった。しかし、過去数十年の間に製造技術はアメリカを離れてしまった」と。

この、ティム・クックが言うとろこの「離れてしまった」製造技術の向かった先が中国だ。というのも、ティム・クック17年に、「安い」からではなく、「スキルが高く」「臨機応変な対応ができる工場が多い」ことからアップルは中国を選んでいると語っている。

iPhoneの製造原価は市場価格の3分の1程度

16年当時「iPhoneの国産化」について、米科学技術誌「MITテクノロジーレビュー」が、同製品の製造の実情に照らし合わせて検証し、複数のシナリオを立てた。

まず、ひとつ目のシナリオは、製造プロセスのうち最終工程の「組み立て」のみを米国で行ったらどうなるか。結果から言うと、販売価格の値上がりは、50ドル(約5500円)弱だと、同誌は見積る。

当時、iPhoneの組み立ては、7つの工場で行われていた。市場調査会社「IHS Markit」の調査によると、6つは中国、1つはブラジルにあった。

当時の最新機種「iPhone 6s Plus」の市場販売価格は米国で749ドル(約8万2390円)。そのうち部品価格は230ドル(約2万5300円)。また、販売価格399ドル(約4万3890円)だった「iPhone SE」の部品価格は156ドル(約1万7160円)と見積もっている。

この「部品コスト」に「組み立てコスト」を加えたのが「iPhoneの製造原価」になる。それは、一般的に市場価格の3分の1ほどだといわれている。

同誌によると、中国やブラジルで行う「組み立てコスト」は、4~10ドル(約450~1100円)。これをアメリカで行うと30~40ドル(約3300~約4400円)になると見積もる。

この「組み立てコスト」上昇に伴う販売価格の値上げは、シラーキュース大学のジェイソン・デトリック教授によると「5%ほど」。販売価格749ドルの「iPhone 6s Plus」であれば、価格の値上げは50ドル(約5500円)弱。「779ドル~789ドル程度になるのでは」と予想する。

ただ、同教授は「組み立て」工程のみをアメリカに移したところで「トランプ大統領が語るほどの大変革は起きない」と述べる。なぜなら、組み立て作業は、「iPhone製造の全工程のほんの一部にすぎないから」。
ふたつ目のシナリオは、iPhoneの部品の製造もアメリカで行ったらどうなるか。こちらも結果から言うと「約100ドル(約1万1000円)」の値上げと予想する。

同誌によると、部品は28ヵ国766のサプライヤーから供給を受けており、部品の製造はアメリカ国外でも行われているとのこと。この内訳は中国が346社と約半数を占めダントツ。続いて日本の126社。アメリカは69社にとどまる。

アメリカが69社にとどまる理由については、アップル社にとって理想的な「製造インフラが欠けているから」とMITテクノロジーレビューは報じている。これは見方を変えれば、半数を占める中国の方が、アップルにとって理想的な製造インフラが整っているともよみとれる。

では、部品をアメリカが国内調達すべく、仮にアメリカが製造インフラの改善や設備投資を行ったらどうなるのか。同教授は「部品の調達コストは、さらに30~40ドル(約3300~4400円)アップする」と見積もる。これにより、販売価格は「約100ドル(1万1000円)」アップと予想する。

一方、米テクノロジーアナリストのティム・バジャリン氏は、18年発売、販売価格1100ドル(約12万1000円)の「iPhone XS Max」がアメリカ産になったら「iPhoneの製造原価」が約600ドル(約6万6000円)まで上昇し、販売価格は「2000ドル(約22万円)以上になるだろう」と予測。

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