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毎日使っているスキンケア製品の成分。実はその中にはサステナブルなストーリーを秘めているものもある。化粧品の“素材”を製造、販売する「林原」の真の美しさへの貢献とは？
より環境負荷の少ない製造プロセスや製品を
昨今はスキンケアコスメを成分で選ぶ人も増え、“レチノール”“ビタミンC誘導体”などの成分名がトレンドのキーワードになることも。成分の効果に関する情報もたくさん発信されているので、“ビタミンC誘導体”がシミやくすみにアプローチすると聞いたことのある人もいるだろう。岡山を拠点に130年以上の歴史をもつ老舗メーカーで化粧品の原料を開発、製造、販売する「林原」という企業がある。化粧品原料のほか、食品、医薬品、健康食品の原料、また機能性色素の製造なども手掛けている。「林原」の素材は国内外の多くの化粧品会社で広く使用されており、私たちが日ごろ愛用しているスキンケアコスメにも含まれているかもしれない。
企業のサステナビリティ活動に関する国際的な評価機関であるフランスのEcoVadis（エコバディス）社は、9万社を対象に評価をしている。「林原」は特に“環境”“労働と人権”、そして“持続可能な調達”という分野が高く評価され、2022年に「ゴールド」評価を獲得。これは、スコアが上位５％以内の企業に認定されるスペシャルな評価だ。化粧品素材分野では、環境への負荷低減に貢献できるような取り組みやアップサイクル、石油系ではない植物性素材の開発や製造を行っている。ここでは具体的な３つのサステナブルな取り組みにフォーカスする。
1.【AA2G®ｰビタミンC誘導体】 製造時に出る副産物を有効活用。 環境への負荷を低減
L‐アスコルビン酸２-グルコシド”と聞くと難しそうだけれど、“ビタミンC誘導体”ならどこかで聞いたことがあるのでは？ 「林原」の安定型ビタミンC誘導体（商品名:AA2G®）は、ビタミンCに酵素の力でぶどう糖を結合させて安定性を高めた素材で、ビタミンCを化粧品に配合する時の課題―分解しやすく安定性が悪い―を解決する素材として、さまざまなスキンケアコスメに活用されている。AA2G®のスキンケア効果としては、なんといってもブライトニングが代表的。国内では医薬部外品の有効成分として「日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ」「メラニンの生成を抑え、シミ、ソバカスを防ぐ」を謳う配合商品が多数販売されているほか、最近の研究ではシワの改善効果についても報告されている。
このAA2G®を製造するプロセスで出てくる栄養豊富な副産物は、そのまま廃棄すると環境に負荷をかけるが、家畜の飼料や発酵の原料に活用することができる。「林原」では、資源の有効活用とともに環境負荷の低減に取り組んできた。普段使っているスキンケアコスメの成分が環境を守る熱意を込めて作られている……そう考えると、スキンケアタイムが、地球環境と“真の美しさ”に思いをはせるひとときになるはず。
2.【グリコシルナリンギン】廃棄される果実をアップサイクル。 資源を大切に生かす
次に、エイジングケア世代なら見逃せない、シワやたるみにアプローチするスキンケア成分に注目しよう。
「林原」の素材 ”グルコシルナリンギン” は、肌の弾力維持に深くかかわるエラスチンの生成を促し、さらにコラーゲンを支える役割を持つエラスチン線維の形成を促すエイジングケア素材だ。その原料であるナリンギンはグレープフルーツや柚子など柑橘類から製造される。 一般的に柑橘類の収穫では、品質の良い実を収穫するため幼い果実を摘み取り、実の数を減らす摘果が行われる。その間引きされた実や、落下した食用にならない実を捨てずに、「林原」では原料として活用し、スキンケア素材に生まれ変わらせているのだ。同じく柑橘類から作られる“アルファグルコシルヘスペリジン”という素材―血流を促進する効果があり、くすみやくまのケアに使われる―についても、同じように資源を大切に活用している。
写真：摘果や落下により廃棄される柑橘類が化粧品の素材に生まれ変わる。
3.【プルラン】石油系ではないサステナブルな植物性のポリマーを開発
“ポリマー”という言葉も多くの人が耳にしたことがあるだろう。ポリマーは多くの場合石油由来だが、「林原」は植物性ポリマーを開発。“プルラン”は水あめを発酵させて作られており、環境にやさしい生分解性の素材だ。良好な粘着性、接着性があり、しなやかな被膜をつくる。この特徴を利用し、薬のカプセルや口中清涼フィルム、コスメでは即効性のリフトアップ効果のある美容液などに使われている。ユニークな特性をもつプルランは、サステナブルな植物性の素材として注目されている。
画像:「林原」の考える“ホリスティック サステナビリティ”の概念図。
国際認証「EcoVadis」の ゴールドアワードを獲得
EcoVadis（エコバディス）社は160カ国以上の国で９万社以上のサプライヤー企業の持続可能性を、独自の審査と分析によって調査、評価している。評価の範囲は環境、労働と人権、倫理、持続可能な調達の４分野にわたる。「林原」は２０２１年にEcoVadisのシルバー認定を受けており、今年はゴールドに昇格。対象企業の上位５％内に入るという快挙を果たした。
画像： EcoVadis サステナビリティ 2022の「ゴールド」評価のロゴ。
問い合わせ先 林原
tel.086-224-4315
林原公式サイトへ
Photo:ISTOCK
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"ビタミン" - Google ニュース
September 01, 2022 at 07:00AM
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サステナブルにつくられた “ビタミンC誘導体” ― コスメの“素材”から考える真の美しさとは？ - ELLE JAPAN
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