ソウルからヨボセヨ
日本での旧統一教会への非難に反発する韓国在住日本人妻など信徒たちによるデモがあった。昼下がりの都心で、「宗教弾圧を許すな」「信仰の自由を尊重しろ」など日本語のプラカードが掲げられたとあって人目を引いていた。ただ各地から3千人以上も集まり、かなりの規模だったにもかかわらず、韓国のマスコミでは無視に近かった。
彼女らは以前、日本大使館前で全員和服姿の〝着物デモ〟をして話題になったことがある。家族や支援団体による〝脱退工作〟は信徒に対する拉致・監禁行為だとして、日本政府に取り締まりを要求するものだった。今回のデモでもそんな日本批判のプラカードがあったが、当時、大使館当局者は宗教がらみの家族問題なので法的介入はなかなか難しいと言っていた。
在韓日本人妻やその子供はほとんど日本国籍で地方在住が多い。そこで日本大使館はパスポート発給など対邦人業務として定期的に地方出張をしている。
筆者は宗教というより日韓関係の一環としてそうした在韓日本人妻の存在に関心があり、過去の著書(角川新書『韓国 反日感情の正体』、2013年刊)でその一端を紹介している。デモ参加者の多くは中年以上の日本女性だったが、宗教は国境を越えるとはいえいささか切ない思いを禁じえなかった。(黒田勝弘)
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