岸田文雄首相(自民党総裁)は10日に実施する内閣改造・党役員人事を内定した。経済産業相に西村康稔氏、防衛相に浜田靖一氏を起用する。経済安全保障相は高市早苗政調会長、デジタル相には河野太郎氏を充てる。各派閥にポストを割り振る「派閥均衡型」で、挙党態勢の構築をめざす。初入閣は全19閣僚のうち9人を占めた。
新しい閣僚や党執行部は新型コロナウイルスの感染急拡大や物価高への対策、エネルギーの安定供給確保、防衛力強化などの政策課題に取り組む。経験者を重用し、新型コロナ対策を所管する厚生労働相は3回目の登板となる加藤勝信氏を充てる。山際大志郎経済財政・再生相は留任させる。
外交・安保担当の閣僚は浜田氏が2回目の防衛相で、林芳正外相も続投する。内閣の要である松野博一官房長官と鈴木俊一財務相のほか、党側では麻生太郎副総裁、茂木敏充幹事長が留任する。
派閥ごとの入閣者数は最大派閥の安倍派と第3派閥の麻生派がトップの4人で、茂木派と岸田派が3人、2021年の総裁選で野田聖子氏の出馬を後押しした二階派も2人だ。無所属の浜田氏も野田氏を支援していた。
メンバーが7人の森山派からは森山裕会長を選挙対策委員長に登用した。森山氏は菅義偉前首相や二階俊博元幹事長と近く、岸田政権とは距離があるとされる。総裁選では河野氏を推した。首相は対抗馬だった河野氏も入閣させる。
政調会長は萩生田光一経産相を充てる。銃撃を受けて死去した安倍晋三元首相の側近で、財政や安保の政策調整を党側で担う。同じ安倍派の高木毅国会対策委員長は留任する。連立を組む公明党からは要望を受け入れて斉藤鉄夫国土交通相を続投させる。
閣僚は各派閥の意向を尊重して「入閣待機組」を中心に人選した。安倍派からは西村明宏氏が環境相、岡田直樹氏が地方創生相、茂木派は野村哲郎氏が農相、秋葉賢也氏が復興相に就く。
麻生派は文部科学相に永岡桂子氏、岸田派は総務相に寺田稔首相補佐官、法相に葉梨康弘氏、二階派は国家公安委員長に谷公一氏、少子化相に小倉将信氏が就任する。
首相は9日、長崎市での記者会見で、このタイミングで人事に踏み切る理由について「戦後最大級の難局突破のために政府・与党の結束がこれまで以上に重要だ」と話した。
首相は10日の党臨時総務会で新執行部を決める。組閣本部を設置し新閣僚を首相官邸に呼び込む。皇居での認証式を経て第2次岸田改造内閣が発足する。
からの記事と詳細 ( 経産相に西村康稔氏、防衛相に浜田靖一氏 10日内閣改造 - 日本経済新聞 )
https://ift.tt/DzntphQ
日本
0 Comments:
Post a Comment