2020年1月に開催されたカスタムカーの祭典、東京オートサロン2020で現行型シビックタイプRのマイナーチェンジモデルが発表され、今夏に発売開始されるとアナウンスされた。
しかし、新型コロナウイルス感染症拡大による生産活動の影響によって発売延期するとことが6月25日に発表され、現在タイプRの新車を手に入れることができない状態だ。
そこで、今回は中古車で購入できる“タイプR”全モデルの購入ガイドを紹介する。
文:萩原文博、写真:ホンダ、奥隅圭之
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現在まで販売されたタイプRは全10車
購入ガイドを紹介する前に、現在でも多くの人を魅了する“タイプR”とは一体どんなモデルなのかを振り返っておきたい。
1992年11月にタイプRが設定されたのは、ミッドシップスポーツカーの初代NSX。
標準車に対して、「徹底した軽量化」、「サーキット走行を年灯においた足回りのチューニング」、「高度なエンジンバランス取り」を施し、さらに空力性能パーツを採用することで運動性能を極限まで追求したピュアスポーツモデルに仕立てたモデルなのだ。
このNSXタイプRを皮切りに、
- ・1995年8月/初代インテグラタイプR
- ・1997年8月/初代シビックタイプR
- ・2001年7月/2代目インテグラタイプR
- ・2001年10月/2代目シビックタイプR
- ・2002年5月/NSX-R
- ・2007年3月/3代目シビックタイプR
- ・2009年11月/シビックタイプRユーロ
- ・2015年10月に4代目シビックタイプR
そして2017年7月に5代目となる現行型シビックタイプRが登場し、NSXタイプRが2モデル、シビックタイプRが6モデル(タイプRユーロ含む)、そしてインテグラタイプRが2モデルの合計10モデルある。
この10モデルを「中古車の流通台数が少ない絶滅危機モデル」、「中古車は流通しているが買いづらいモデル」「中古車の流通台数が多くて狙い目のモデル」と3つのグループに分類して紹介する。
ほぼ買えない!? 絶滅危惧のタイプRと中古市場の実態は?
まずは、「中古車の流通台数が少ない絶滅危機モデル」から。現在、中古車の流通台数が6台そのうち1台が「価格応談」となっているNSXタイプRだ。
流通しているのは1992年に登場したリトラクタブルヘッドライトを採用した3L V6エンジンを搭載したモデルのみ。
2002年5月に登場したプロジェクターヘッドランプに変更し、3.2LV6エンジンを搭載したNSX-Rの中古車は1台も流通していない。
流通台数が5台のNSXタイプRの中古車の価格帯は1820万~2680万円で、新車時価格の約2~3倍の価格。平均価格は約2030万円となっている。
NSXタイプRに続く、絶滅危惧車となっているのが、1995年に登場したインテグラタイプRセダンで、中古車の流通台数はわずか10台となっている。直近3カ月で流通台数が15台を超えたことがなく、しかも現在は10台と減少傾向となっているのだ。
平均価格も3カ月前の約134万円から現在は約158万円へと値上がり傾向となっていおり、流通台数の減少が影響しているのは明白だ。
現在の価格帯は約98万~約259万円。走行距離10万km以下のクルマならば、200万円以下で購入できる物件がある一方で、100万円以下の中古車はわずか2台しかない。
今後大幅な値上がりはないと思うが、その前に中古車が流通しなくなってしまうかもしれない。
そして、流通台数が少ない絶滅危機モデルとして取り上げたいのが、2015年10月発売の4代目シビックタイプRだ。
比較的新しいモデルなのに、流通台数が少ない原因は国内750台の限定販売だったことが理由だ。新車時価格は428万円だったが、その価格を上回るプライスを付けた中古車が流通していたほどだ。
現在4代目シビックタイプRの中古車の流通台数は15台。直近3カ月の間20台を超えたことがない。
平均価格は3カ月前の約380万円から今月は約368万円まで値落ちしているものの、新車時価格からの値落ち幅は非常に小さい。中古車の価格帯は約338万~約550万円で現在でも新車時価格を上回るプレミア中古車も存在している。
「流通しているが買いづらい」タイプRは?
続いては「中古車は流通しているが買いづらいモデル」を紹介しよう。
まずは中古車の流通台数が19台の2001年10月に登場した2代目シビックタイプRだ。シビックタイプRの歴代モデルの中で、最も人気薄ということもあり、平均価格は約96万円と唯一100万円以下となっている。
しかし、中古車の流通台数は3カ月前の30台から現在の18台へと減少傾向となっていて、手を出しづらい状況だ。中古車の価格帯は約59万~約170万円となっており、二桁万円で手に入れられる中古車が多いのが特長だ。
続いて取り上げるのは中古車の流通台数が21台の1995年に登場した初代インテグラタイプRクーペだ。
3カ月前の18台という流通台数に比べて、わずかながら増加傾向となっているものの、平均価格も3カ月前の約125万円から現在は約150万円まで値上がりしているので、現状手を出しづらい。
価格帯も約95万~約400万円で、20年以上の中古車ながら新車時価格を上回るプライスのクルマも出回っている。
続いては2017年に登場した5代目シビックタイプRだ。現在中古車の流通台数は23台だが、3カ月前は53台だったので、減少傾向となっている。その一方で、平均価格はこの3カ月の間、約417万~約420万円をキープしている。
現状マイナーチェンジは延期されているが、後期型が登場すれば、前期型の値落ちは進むと考えられるので、手が出しづらい。価格帯は約352万~約478万円と4代目よりも割安となっている。
そして最後にピックアップするのは1997年に登場した初代シビックタイプRだ。現在中古車の流通台数は31台とタイプRの中古車の中では多いのだが、3カ月前は50台近く流通していたにもかかわらず減少傾向。
流通台数の減少にリンクして、平均価格は3カ月前の約160万円から約180万円へと値上がり傾向となっている。
初代シビックタイプRの中古車の価格帯は約110万~約389万円で、すでに市場から100万円以下の中古車は姿を消している。生産終了から20年が経過したモデルだけに勢いだけで購入するにはハードルは相当に高い。
「中古車の流通台数が多くて狙い目」のタイプRは?
そして、最後は「中古車の流通台数が多くて狙い目のモデル」だ。
タイプR全モデルの中で最も流通台数が多いのが、2007年に登場した3代目シビックタイプR。現在の流通台数は81台だが、3カ月前には130台もあり減少傾向となっている。
しかし、平均価格は3カ月前の約212万円から現在は、約194万円と値落ちしている。中古車の平均走行距離も3カ月で2万km延びているので、良質な中古車が市場から無くなったとも言えるが、値落ち傾向なのは歓迎したい。
中古車の価格帯は、約110万~約500万円で、200万円以下の中古車が49台もありまだ手が届く中古車が多いのは嬉しいところだ。
そして、最後に取り上げるのは流通台数47台の2001年に登場した2代目インテグラタイプRだ。平均価格は3カ月前の約125万円から現在は約140万円まで値上がりしているものの、平均価格は50台付近で安定しているからだ。
中古車の価格帯は約59万~約190万円と100万円以下の中古車もあり、プレミアム価格となっていない点がポイントだ。
◆ ◆ ◆
鈴鹿サーキットでFF車最速を記録したマイナーチェンジ後のシビックタイプRの登場が待ち遠しが、ホンダスピリッツが満ちあふれた歴代タイプRの中古車も後期型のNSX-Rを除けばまだ手に入る。
狙っている人はじっくりと市場をチェックして手に入れて欲しい。
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July 23, 2020 at 03:00PM
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