「受験の神様」にして精神科医の和田秀樹氏が上梓した初めての自伝的小説『灘校物語』(サイゾー)が面白いと評判だ。和田氏の青春の母校である灘校を舞台に主人公ヒデキの七転八倒の物語が描かれている。ヒデキはとにかく好奇心旺盛で飽きっぽく、過集中という性格。和田氏はみずから、「発達障害人生を送ってきた」としみじみ語る。一方対談相手の「えらいてんちょう」こと矢内東紀氏は、双極性障害のうえ後発性発達障害とのこと。人気Youtuberとして注目を浴びる一方、近刊『「NHKから国民を守る党」の研究』(KKベストセラーズ)では党首の立花孝志を徹底批判し、N国党の躍進を分析。どのメディアもN国党の圧力を恐れ、忖度して批判をしないなか、批判の急先鋒となって注目を浴びた。今回「人間は、いくら金を持てば狂うのか?」「それは障害度によって異なるのでないか」……そんな仮説をもとに語り合う異色の対談第2回。
■人間は、いくら金を持てば狂うのか?
矢内東紀(以下:矢内) 「最近、企業が2%以上、障碍者を雇わないといけないということになったと。アレ、はっきり言って、精神障碍者は雇われないじゃないですか。身体障碍者ばっかり雇われてる。で、精神障碍者の場合は、入ったら邪魔だっていうのもあるんだけれども、そもそも、制度として、おかしくないですか? というのは、私、双極性障害と発達障害っていう診断をされてるんですけど。週5日、1日8時間なんて、とてもじゃないけど働けない。だから、そんな制度に障碍者雇用という枠を設けて、健常者と同じ時間、働かせようというのは土台無理」
和田秀樹(以下:和田) 「おっしゃる通りだと思いますよ。特に、うつ病なんかの場合は、わりとクソ真面目な人がなるから、意外にしゃべっていて、面白くないことが多いんだけどさ。発達障害の人たちって、結構、面白いことをいう。で、日本って、ある時期まではキャッチアップ型で、故障がしないものを作るとかをすごく売りにしていたわけですよ。で、いま学力低下がひどくなったので、そういう人も減ってきたんだけど。やっぱり、いまのご時世って、スティーブ・ジョブズみたいに、ちょっとぶっ飛んでるヤツのほうが、面白いものを作るわけじゃん。なのに、変わってるヤツを排除する文化があるよね。こんな長い間、おんなじ総理大臣が続いたりさ。どうしたら、こんなにつまらない国になれるんだと思うくらい」
矢内 「私、2019年12月に『「NHKから国民を守る党」の研究』を刊行しました。この“N国党”の立花っていうのは、双極性障害と統合失調症というふうに自分で言っているんですね。双極性障害と統合失調症の代表者としては、よく国会議員になったなと、ホントに思うんだけど。だから、NHKをぶっ壊すとかじゃなくて、障碍者の代表として国会に行ったと考えれば、すごく納得ができるんだけど。ただ、立花さんが残念だったのは、少し金を持っちゃって。なんか、それで、その怒りが収まっちゃったというか……」
和田 「そうだ。そのとおりだ。だからさ、高田がんとか、昔の泡沫議員というのは、ホントにもう、絶対勝てないのがわかっていて、貧乏をやりながら活動していたの。そういう面では、高田がんってじつは立派な人でもあったわけです。」
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February 18, 2020 at 07:00PM
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