国際オーソモレキュラー医学会正会員で歯科医師の森永宏喜さんに、新型コロナウイルスの感染予防について聞きました。
新型コロナウイルスは瞬く間に世界中に広がりました。未知の部分が多いものの、感染予防策がないわけではありません。私たちは、どのような情報を頼りに行動したらよいのでしょうか。現時点でできることを考えてみましょう。
今回は、国際オーソモレキュラー医学会(ISOM)正会員、米国アンチエイジング医学会認定医(ABAAHP)、日本抗加齢医学会専門医、日本アンチエイジング歯科学会常任理事で歯科医師の森永宏喜さんに伺います。近著に「歯周病はすぐに治しなさい!」(さくら舎)があります。
確実に信頼できる研究成果はまだない
新型コロナの予防や治療に関して、すでに研究成果は出ているのでしょうか。
「残念ながら、そのような『信頼性が高いと一般的に考えられている成果』はどこにも存在しません。新型コロナの治療法に関する、信頼度が高いとされるランダム化比較試験(RCT)は世界各地で結果が出始めています。国内で真っ先に認可されたレムデシビルは、一定の効果はあるようですが、統計処理をすると、有効性が確認できなかったとの結果が相次いでいます」(森永さん)
「複数の研究結果を統合し、より高い見地から分析するシステマチックレビューでの評価が固まるまでには、少なくとも数年かかると思われます。現時点で私たちが知っている情報は、全面的に信頼して行動のよりどころにするには、まだ不十分だということを認識すべきです。従って、少しでも確度の高いと思われる報告を指針とするしかありません」
「予防という意味では難しい状況があります。数多くの報告は主に、重症化した症例に対する治療法に関するものです。一定の割合で重症化がみられる以上、いかに救命するかに医療・研究リソースを注がざるを得ませんから、『どうすれば感染リスクを下げられるか、軽症で済ませられるか』という点を追求するのが難しいというのも、無理もないことだと思います」
「新型コロナと共にある」という発想
エボラ出血熱やSARSは恐ろしい感染症ですが、新型コロナウイルスに比較すれば封じ込めは容易でした。発病すると、多くのケースで強い症状が現れたからです。
「エボラは過去の事例では、致死率が90%に達することもあり、患者が長期間動き回り、広範囲にウイルスをまき散らすケースは少なくなります。しかも、潜伏期間中は周囲への感染力はないので、隔離すべき対象ははっきりしているのです。症状自体は激しいものの、感染を広げないという意味では対処しやすい面もあります。
これはSARSも同様で、潜伏期間や無症候感染者は周囲への感染力はないか、あっても非常に弱いといわれています」
「新型コロナウイルスはどうでしょうか。ご存じのように、感染者の大半は症状が軽く、重症化の比率は高くありません。しかも厄介なことに、最長2週間に及ぶ潜伏期間の段階や無症候感染者であっても、症状がある患者と同等の感染力を持つらしいことが分かっています」
「つまり、私たちは知らず知らずのうちに、感染力が高い新型コロナウイルスに暴露(※)されるリスクが高いということになります。むしろ、暴露がある前提で考えるべきだと言ってもいいかもしれません。『私たちと共にある』ウイルスなのです」
(※有害物質や病原菌などにさらされること)
国際オーソモレキュラー医学会の提言
では、私たちはどうすればいいのでしょうか。
「『どうすれば救命できるか』の検証は当然重要ですが現在、『感染のリスクを少しでも下げたい、もし感染しても軽症で済ませたい』ための情報も非常に価値の高いものです。では、どうすれば感染のリスクを下げることができるのでしょうか。そこには、身体の防御システム、免疫が関わってきます」
「中国で感染爆発が起きていた1月下旬、国際オーソモレキュラー医学会(ISOM)が声明を出し、新型コロナ肺炎対策として5種類の栄養素(※)を推奨しました。その筆頭が、ビタミンC(VC)です。VCには免疫物質であるインターフェロンの生成促進、白血球の能力強化、感染症のストレスで負担のかかる副腎のサポートなど免疫力を上げるための多くの作用があります。
そして、海外では、予防だけではなく重症例の治療にVCの点滴を併用し、良い結果が得られたとの報告も相次いでおり、米国の臨床現場ではVC併用のプロトコル(治療の手順を定めたもの)も作られました」
(※「ビタミンC」「ビタミンD」「亜鉛」「マグネシウム」「セレン」)
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May 30, 2020 at 07:18AM
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「ビタミンC」にコロナ感染予防効果を期待し得る理由 - オトナンサー
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