長谷川潤
北海道函館市の海岸にイワシなど大量の魚が打ち上げられた問題で、海外のSNS上で東京電力福島第一原発から放出されたALPS処理水の影響を指摘する情報が拡散している。水産庁は「根拠のない情報で憂慮している」と注意を呼びかけている。
魚の漂着は、7日に発覚。同市南部の海岸線を約1キロにわたり、イワシやサバなどが埋め尽くした。道総合研究機構函館水産試験場によると、打ち上げられた魚は、この時期、本州方面に南下する群れの一部と見られる。大量死の理由は定かではないが、水温の急激な変化やイルカなどに追われて、大量に打ち上げられることはあるという。
函館市は12日から重機も投入して廃棄を進めるが、対象は約1200トンにのぼるとみられ、回収には今月いっぱいかかる見通しだ。
浜を埋め尽くす魚の画像は連日、報道された。英国の大衆紙「デイリー・メール」は、福島第一原発から処理水が放出された3カ月後に大量の魚が打ち上げられた、と動画を配信。時期を同じくして、海外のSNSを中心に、処理水と魚の大量死を関連づけるような情報が拡散した。
水産庁増殖推進部は、「モニタリング調査の結果に異常はない。科学的根拠に基づかない情報が拡散していることを憂慮している」と注意を呼びかける。
函館市役所には、これまでに数十件以上の問い合わせがあるという。地元からの苦情はなく、多くが回収方法への意見や助言だが、「魚はALPS処理水の影響で死んだかもしれない。食べない方がいい」といった意見もあるという。(長谷川潤)
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