松下玲子市長の辞職に伴う東京都武蔵野市長選は24日投開票され、無所属新人で自民、公明が推薦する元市議の小美濃安弘さん(61)が、無所属新人で立憲民主、共産、れいわ新選組、社民、武蔵野・生活者ネットワークが支持する元市議の笹岡裕子さん(37)を破り、初当選を果たした。
確定得票数は、小美濃さんが2万7024票、笹岡さんが2万6685票。小美濃さんは339票差で、推薦を受けた自民党の派閥の政治資金パーティー裏金事件による逆風をはね返した。
当日有権者数は12万1777人、投票率は44.77%(前回47.46%)だった。
◆裏金事件「きっと影響すると…信じられない」
小美濃さんが当選確実となると、支持者が集まった事務所は大歓声に包まれた。
小美濃氏は「今でも信じられない気持ちだが、選挙で約束したことを一つずつ着実やっていくに尽きる。今回の選挙は自民党のさまざまなことが言われ、きっと影響する思っていた。しかし、地方自治は市民にあると言ってきた。その市民の力で勝たせていただいた」と喜びを爆発させた。
選挙期間中、小美濃さんは市議と都議で通算22年の政治経験の豊かさを強調。「武蔵野を立て直す」と、過去2代の市長時代から18年続くリベラル市政から保守・中道市政への刷新を訴えた。
首都直下地震から市民の命を守るための施策の充実などを掲げて国政と市政は別であることも強調した。
◆「自民色」控えめに、市政批判に論点絞る
小美濃さんは「朝立ちで市民から恥を知れと言われたり、ビラを投げつけられたこともあった」と逆風の選挙戦を振り返った。
小美濃陣営の関係者は「前市政の批判を徹底的にできたのが良かった。自民への風当たりが強いのはわかっていたので、自民色は控えめにした」と勝因を分析した。
市長選は、東京18区(武蔵野市など)を地盤とする立民の菅直人元首相が11月に次期衆院選不出馬を表明し、後継を目指す松下市長が同月、2期目の途中で市長を辞職したため行われた。
小美濃さんは「松下市長の辞め方が許せないという人がいた。私が聞いたのは一部だが、そういう風に思う人が(一定数)いたのかもしれない」とも語った。
◆笹岡さん、リベラルの牙城を守れず
相手候補の笹岡さんは、松下前市長の後継として、リベラル市政の継承と発展を訴えた。
中学生の子どもの子育てと父親の介護のダブルケアの当事者として、全世代型の地域包括支援の実現などを掲げたが、及ばなかった。(服部展和、岡本太、松島京太)
◆武蔵野市長選立候補者(届け出順)
小美濃安弘(おみの・やすひろ)(61) 無新 自民、公明推薦
<経歴> 会社役員(元)市議・都議▽東京電機大
笹岡裕子(ささおか・ゆうこ)(37) 元市議 無新 立憲民主、共産、れいわ新選組、社民、武蔵野・生活者ネットワーク支持
<経歴> (元)市議・住友商事社員▽立教大
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