Thursday, June 11, 2020

納豆が感染後の悪化を防ぐ可能性 新型コロナ - Newsweekjapan

<オランダの医師たちがビタミンKと新型コロナ症状緩和に関連性を見出したことから、にわかに注目が集まっている ......>

新型コロナは感染後、基礎疾患や高齢により悪化しやすいが、ふだんの栄養状態も関係すると言われている。欧州臨床栄養代謝学会(ESPEN)は早くから、新型コロナ患者のための栄養ガイドラインを提示していた。

なかでも注目されているのは、動脈や骨の健康に欠かせないと言われるビタミンKだ。昨年くらいから健康に敏感な人たちのあいだで密かなブームとなっていたようだが、さらにこの度、オランダの医師たちがビタミンKと新型コロナ症状緩和に関連性を見出したことから、にわかに注目が集まっている。

K1とK2があるが、体内吸収率のより高いK2が非常に多く含まれる納豆が特に注目されている。

ビタミンKの欠乏と症状悪化の関連性

栄養バランスと適度な運動が免疫力を高めることはよく知られているが、どうやらビタミン・ミネラルの働きはそれだけではなさそうだ。栄養失調気味の患者は感染後の悪化や、入院中に筋肉を失うのが早く、また退院後も回復が遅い。このためESPENは入院中の患者の栄養状態の定期検査を奨励しているが、たとえばドイツでは、特別養護老人ホーム居住者の4分の1とすべての入院患者の3分の1が、栄養素とミネラル不足だといわれる。とくに、新型コロナに感染し、入院が必要なほど悪化した人にはビタミンKの欠乏が顕著だということで、この4月くらいから研究が進んでいた。

ビタミンKには血液を凝固させる作用や、骨中のカルシウムを内外に移動できる特殊なタンパク質を活性化する働きがある。また、ロッテルダム心臓研究によると天然ビタミンK2を豊富に含む食材を長年食べてきた人は、動脈内のカルシウム沈下が著しく低く、心臓血管の健康状態が良好だったという。

オランダではまた、ナイメーヘン市の病院で医師たちがビタミンKの欠乏と症状悪化の関連性を発見。新型コロナは血液凝固を引き起こし、肺の弾性繊維を分解するが、ビタミンKが凝固を調節し、肺疾患から保護するタンパク質の生産にかかわるという。調査では、3月12 日から4月11日の1か月間で入院した134人の患者と、年齢の対応する184人の新型コロナ以外の患者とを比較して行われた。

ビタミンK2の豊富な納豆

ビタミンKにはK1とK2があり、K1はほうれん草や小松菜などの緑黄色野菜に多い。体内吸収率のより高いK2はチーズなどに多く含まれるが、なかでも注目されているのが納豆だ。納豆には1パック(40g)あたり約240μgものビタミンK2が含まれる。ちなみに、ドイツ栄養学会(DGE)の推奨する1日の摂取量が51歳以上の女性で約65 μg、男性で80μgであることからも、その豊富さがわかるだろう。 

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