50代は、老後資金について具体的に考えはじめる時期です。一方、子どもの教育費や住宅ローンなどを抱えていて、「老後資金は足りるだろうか」と不安やあせりを感じる人もいるでしょう。そこで今回は、50代の老後資金について考察します。
そもそも老後資金ってどんなもの?
老後とは、一般的に現役をリタイアして年金をもらいはじめる時期を指します。老後の生活を支える基盤となるのが公的年金です。公的年金だけでは老後の生活費が不足する場合は、それを補うための「蓄え=老後資金」が必要です。 2019年に話題を集めた金融審議会の「老後2,000万円問題」は、平均的な無職の高齢世帯で毎月約5万円の赤字が出ていることを根拠に、「20年で約1,300万円、30年で約2,000万円の老後資金が必要になる」と指摘しています。しかし、老後の生活スタイルは人によって異なり、退職金の金額や住宅ローンの有無、「老後も働くかどうか」などによって必要な老後資金の金額は変わってきます。
老後までの収入を把握しよう
老後資金を考えるために、まずは老後までに得られる収入を明らかにしましょう。主なチェックポイントとしては下記のような項目が挙げられます。 1.定年は何歳なのか 2.定年までいくら稼げるのか 3.定年後も働き続けるのか 4.退職金制度はあるのか、いくらもらえるのか 定年と再雇用 高年齢者雇用安定法にもとづくいわゆる”65歳定年制”が、いよいよ2025年度から完全施行となります。定年制度の仕組みは企業によってさまざまです。自分が勤めている企業の定年をしっかり確認しておきましょう。 定年がない企業であれば、安定した収入を長く維持できる可能性があります。希望者を定年後に再雇用する継続雇用制度を導入している企業も少なくありません。自社の定年制度をチェックして、「老後までどのくらい稼げそうか」を洗い出しましょう。 退職金 退職金は、老後資金の礎となるお金です。ところが、自社の退職金制度を知らない人も珍しくありません。 金融審議会市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」によると、自分がもらえる退職金の額について、約3割の人が「退職金を受け取るまで知らなかった」、約2割が「定年退職半年以内に知った」と回答しています。 退職金の支給額は減少傾向にあり、親世代がもらっていたような高額の退職金がもらえない可能性もあります。厚生労働省の資料(※1)によると、退職給付(一時金・年金)制度がある企業の割合は 全体の80.5%にとどまり、約2割の企業には退職金制度自体がありません。 自社に退職金制度があるのか、金額はどの程度なのかを確認しておきましょう。住宅ローンなどの負債を完済していない人は、残金を洗い出しておくことも大切です。
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August 20, 2020 at 10:00PM
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