11日午前4時16分ごろ、千葉県南部を震源とする地震があり、千葉県木更津市で震度5強を観測した。気象庁によると、震源の深さは40キロ、地震の規模を示すマグニチュード（M）は5・2と推定される。この地震による津波はなかった。
気象庁は揺れの強かった地域では落石や崖崩れの危険が高まっているとして、今後1週間程度は同規模の地震の発生や降雨の状況に注意するよう呼びかけた。
消防などによると、千葉県内で4人、神奈川県内で2人の計6人がけがをした。千葉市緑区の70代女性は地震に気付いて起き上がろうとした際に転倒して頭などに軽いけがをした。千葉県松戸市でも女性（76）がベッドから落ちて左腕を打撲した。君津市では避難しようとした70代女性が転倒して右肩に軽いけがをし、市原市の80代女性も避難しようとして階段を踏み外して軽傷を負った。
また、横浜市保土ケ谷区では女性（64）が転倒して右手首に軽いけがをしたほか、川崎市でも棚にあった照明器具が50代男性の頭に落下して軽傷を負った。
千葉県によると、木更津市内で同市役所朝日庁舎の内壁が一部損傷し、住宅の瓦が落下する被害も3件あった。
鉄道は、千葉県内を運行するJR内房線や外房線などで運転を見合わせた。東京都心を通る各線でも、JR京葉線の東京―蘇我間など一部で運休や遅れが出た。
気象庁によると、関東地方の地下では北米プレートの下に南からフィリピン海プレートが沈み込んでいる。今回の地震はフィリピン海プレート内部に力が加わったことで起きたとみられる。この付近では過去にもM5～6級の地震が起きており、2019年5月には千葉県で震度5弱を観測した地震が発生している。
今回の地震は早朝に発生したことから、気象庁は、就寝場所周辺に落下しやすいものを置かないことや窓ガラスなどが割れても歩けるよう近くにスリッパを置くこと、停電に備えて懐中電灯を用意しておくことなどを改めて呼びかけた。
早朝に震度5強の揺れに襲われた木更津市では、建物の一部がはがれ落ちたり窓ガラスが落下したりする被害があり、揺れが収まった後には、片付けをする住民らの姿が見られた。
木更津港近くの魚介類販売店でも外壁の一部がはがれ落ちる被害があった。11日午前3時ごろから働いていた店員の小磯昌樹さん（48）は「ドンという突き上げるような縦揺れが30～40秒ぐらい続いた」と話した。【島袋太輔、浅見茂晴、長沼辰哉】
主な震度は次の通り。
＜震度5強＞千葉県木更津市
＜震度5弱＞千葉県君津市
＜震度4＞千葉市美浜区、千葉県勝浦市、市原市、鴨川市、富津市、袖ケ浦市、南房総市、いすみ市、睦沢町、長南町、大多喜町、東京都千代田区、品川区、横浜市神奈川区、中区、戸塚区、瀬谷区、栄区、川崎市中原区
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