教育費を考える上で一番大変な時期は、大学や専門学校の時でしょう。高校までと違い、比べ物にならない高額な学費が必要となります。さらに、自宅から通学できないとなれば、仕送りも必要になってきます。
子が東京の大学に進学した保護者たちは、仕送りをどれくらいしているのでしょうか? 東京私大教連が、2022年4月に東京を中心に首都圏の私立大学・短期大学に入学した新入生を対象に調査した「私立大学新入生の家計負担調査 2022年度」から、仕送りの実態をみてみましょう。
仕送り平均月8万8600円。上昇傾向
表は、2022年4月に首都圏の私立大学・短期大学に入学した新入生の6月以降の1カ月あたりの仕送り金額の平均です。5月は教材の購入などで仕送り額が多くなるため、出費が落ち着く6月以降の月平均の仕送り額となっています。2022年度の仕送り額の平均は月8万8600円で、前年2021年より2400円、2年前の2020年度より6200円増えています。2020年度、2021年度はコロナ禍での学生生活でした。コロナ前の生活に戻りつつあるため、ここ2~3年は仕送り額も上昇傾向といえそうです。ちなみに、出費が多いとされる5月の仕送り額は2022年度で10万2600円。新生活が始まる時期は、多めに準備しておく必要がありそうです。
1994年度の仕送り額は平均月12万4900円!
1986年度からの同調査で、6月以降の仕送り額平均金額が一番高額だったのは、1994年度の12万4900円。この1994年度と比べると、2022年度の仕送り額は3万6300円、30%も減少しています。家賃平均月6万7300円、仕送り額の8割近く
生活費で一番高額なのは家賃。家賃の平均は6万7300円で、仕送り額8万8600円の76%にも達しており、首都圏の家賃事情が学生の生活を厳しくしています。ちなみに、この2022年度の家賃、1986年度からのデータでの中でも一番高額。1986年度の家賃が3万4700円。家賃が1.9倍にもなっています。仕送りが一番高額だった1994年度の家賃は5万7200円。仕送り12万4900円でしたから、家賃は仕送り額の45%。1994年度の学生は、仕送りの半分以上を生活費に使えていたようです。
一日あたりの生活費は710円!
2022年度では、仕送り額月8万8600円から家賃月6万7300円をひいた月2万1300円が生活費となります。これは、一日710円ということ。一人暮らしでは、水道光熱費や通信費などの固定費も必要となるでしょう。となると、ほとんど食費などに回すお金はない状況。学生の厳しい家計状況が想像できます。実際には、アルバイトなどで生計を維持していると思われますが、厳しい家計状況は間違いありません。なんといっても家賃の高さが東京での生活を厳しくしています。首都圏で下宿を考えるなら、親も子もこういったお金事情を把握する必要があります。
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May 03, 2023 at 10:00AM
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