リニア中央新幹線の建設を巡り、「静岡県の水が流出する懸念がある」として、静岡県がJR東海に対し山梨県内でのボーリング調査の停止を求めたことに疑問の声が上がっている。山梨県の長崎幸太郎知事が「山梨県内で出た水は山梨県の水だ」と異議を唱えたのに対し、静岡県は「静岡県の水」と主張する明確な根拠を示せていない。
山梨県内で出る水は、静岡県の水か、山梨県の水か――。川勝知事は15日の記者会見で、「確定されていない」「わからない」「いま、私が答えるべき筋のものではない」と曖昧な受け答えに終始した。
静岡県は、JR東海に宛てた11日付の文書で、「静岡県境から山梨県側へ約300メートルまでをボーリングしないことを要請する」と、山梨県内での調査停止を求めた。静岡県は、静岡県内の地下水が山梨側に大量に流出する懸念があると主張する。
だが、山梨県の長崎知事は12日の記者会見で、「静岡県の議論には強い違和感がある。山梨県内のボーリングで出た水は、山梨県の水というのが常識的な考え方だ」と述べ、「山梨県内の活動について頭越しに言うのは遠慮願いたい」と強い不快感を示した。
長崎知事が、静岡県の姿勢に苦言を呈するのは初めてではない。昨年10月、静岡県が山梨県内のトンネル工事を止める必要性を指摘した際も、「一言の連絡もなく、遺憾以外のなにものでもない」と憤った。11日の文書についても両県で事前の十分な調整はなく、川勝知事は「礼節を欠いていた」などと釈明した。
川勝知事はこれまで、「科学的、工学的な議論が大切だ」と何度も強調してきた。だが、長崎知事から「科学的な議論を」と求められたのに対しては、「(ボーリングで)水が引っ張られる可能性を懸念し、専門部会で議論している」と述べるにとどまり、具体的な根拠は示さなかった。
ボーリング調査については、静岡県の大井川流域市町の複数の首長が「価値がある」と一定の評価をし、静岡市の難波喬司市長も「(静岡県の主張は)科学的根拠が少し弱いという印象だ」と話す。JR東海は「大量の水が流出する可能性は小さい」との認識を示している。
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