中国の習主席に新たな試練、「ゼロコロナ」反発に江沢民氏死去重なる - ブルームバーグ

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中国国民の間に「ゼロコロナ」政策への反発が広がる中で江沢民元国家主席が死去したことは、現最高指導者の習近平氏にとって新たな試練を意味する。

　　元共産党総書記でもある江氏が96歳で死去したと国営メディアが報じたのは11月30日。その数日前には、習氏が旗振り役として進めてきた新型コロナウイルスを徹底的に封じ込めるゼロコロナ政策に対する抗議行動が全国各地で発生していた。街頭でのデモ活動は沈静化したが、中国経済の開放を進めた江氏の死を悼む動きが、習氏批判に新たな弾みを与える可能性もある。

中国の江沢民元国家主席が死去－天安門事件後の高度成長を率いる 

胡耀邦氏の追悼集会に参加した学生たち（1989年４月22日、北京の天安門広場）

Photographer: Catherine Henriette/AFP/Getty Images

　　シンガポール国立大学（ＮＵＳ）東アジア研究所のアシスタントディレクター兼シニアリサーチフェロー、チェン・ガン氏は、「中国政界のこれほどの大物が亡くなれば、論評が出され集会も開かれるだろう。これは完全に合法で、許可される」と指摘した上で、「そうした状況が継続すれば、人々はかつての指導者と今の指導者を比較することになる。現政権にとっては一種の逆風になるかもしれない」と述べた。

江沢民氏が死去

Source: Bloomberg

　　1989年４月に元党総書記の胡耀邦氏が亡くなると、市民は追悼のため北京の天安門広場に集結。これが学生らの民主化デモに転じた。学生側に理解を示したことで解任され失脚した趙紫陽総書記の後任として、当時事実上の最高実力者だった鄧小平氏が起用したのが江氏だ。同年６月には人民解放軍がデモ参加者を武力で弾圧する天安門事件が起きた。

　　ＮＵＳリー・クアンユー公共政策大学院のアルフレッド・ウー准教授は「共産党は今、危機に直面している。後ろ向きなニュースが多く、士気が低下している」との見方を示し、「江氏は今、現指導部に比べて多くの人に慕われているように見える」と語った。

天安門広場に掲げられた半旗（12月１日）

Photographer: Noel Celis/AFP/Getty Images

　　ただ、天安門事件の学生リーダーの一人だった王丹氏は東京都内の日本外国特派員協会で１日開かれた記者会見で、「今の若い世代は江氏について何も知らないし、江氏を本当に敬愛しているとは思わない」と述べ、「若者たちを街頭での行動に駆り立てるには十分ではない」と主張した。

　　国営中央テレビ（ＣＣＴＶ）によれば、江氏の追悼大会は現地時間６日午前10時（日本時間同11時）から執り行われ、国民に３分間の黙祷（もくとう）を求める。国営ラジオの中央人民放送（ＣＮＲ）は、江氏の遺体が１日に上海から北京に移されたと伝えた。

鄧小平氏の死を悼む人々（1997年２月25日）

Photographer: Forrest Anderson/Getty Images

江沢民氏が死去した影響を分析する

Source: Bloomberg

原題： Jiang Death Injects Risk for Xi at Fraught Time in China (1)　（抜粋）

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