Tuesday, September 27, 2022

バイトやパートはいくら稼ぐと所得税が引かれる?「3つの壁」も解説 - KaikeiZine

「給料を年間いくらに抑えると、税金が安く済む?」これはアルバイトやパートで働いている場合、必ず出る話題ですよね。それに関して、きっちり解説します。

アルバイトやパートの場合、所得税は引かれるのでしょうか?

結論からいうと、収入が一定額を超えてしまうと、所得税が引かれることになります。

学生さんや既婚者さんの場合ですと、自分の稼いだ年収によっては、自分の親や配偶者の税金の金額が変わってしまうことになるので、十分注意が必要です。

そこで本記事では、アルバイトやパートで働いている方が、具体的にどのようなケースの場合に所得税が引かれるのかと、それに関係する3つの壁について解説します。

最近アルバイトを始めたという学生さんや、税金のことは難しくてよくわからないというパートの方は、ぜひこの記事を読んで、自分が所得税が引かれるケースに当てはまるかどうかを確認してみてください。

アルバイトでも年間103万以上の給与所得があれば所得税が引かれる

まず、所得税は収入額の全額に対してかかるわけではなく、そこから控除金額を差し引いた金額に対して課税されます。

具体的には、「収入ー控除=所得」で求められた所得金額に対して、税金がかかることになります。

上記の式の「控除」に該当する金額は、主に2種類あります。

1つ目は、所得の合計金額が2,400万円以下の人に採用される「基礎控除額」で、控除金額は「48万円」です。

2つ目は、給与所得の金額によって変わる「給与所得控除」で、この控除額の最低金額は「55万円」になります。

そのため、「基礎控除48万円+給与所得控除55万円=103万円」となり、103万円を超えた分だけ所得税がかかることになるのです。

たとえば収入が104万円だったとします。

それを具体的に上記の式に当てはめてみると、「104万円(収入)ー103万円(控除)=1万円(所得)」となり、その1万円に対し、所得税がかかるというわけです。

ちなみに所得税が引かれるか、引かれないかの算定期間は、その年の1月~12月になります。会社の決算期や年度のように4月~翌年3月の区切りではないので、注意が必要です。

月収の場合は88,000円以上の場合に所得税が引かれる

1か月のお給料が88,000円以上になった場合も、所得税が引かれることになります。

前章では、年収が103万円を超えると所得税がかかってしまうとお伝えしましたが、その金額を月収に直すと「103万円÷12か月=約86,000円」となります。

ではなぜ86,000円ではなく88,000円なのかというと、源泉徴収税額表で88,000円以上89,000円未満の間の額から税金が発生すると、決まっているからです。

ただし、毎月の源泉徴収での支払いはあくまでも仮払い金額となるため、毎年12月の年末調整で最終的に税金額の調整がされることになります。

また、会社に「扶養控除等申請書」を提出した人は、源泉徴収によって会社が税金の計算をしてくれます。

そのため、88,000円以上稼いでいれば自動的に所得税が引かれることになります。

もし「扶養控除等申請書」を提出していない場合は、88,000円未満の場合でも所得税が引かれることになるため、注意が必要です。

短期バイトやかけもちバイトの場合は自分で申告しなければならない

特定の企業に所属していれば、会社が年末調整を行い、払いすぎた税金が返ってくることになります。しかし、短期のバイトの場合や、2か所以上かけもちでバイトをしている場合には、自分で確定申告をする必要が出てきます

もし、年収が103万円以下の場合でも源泉徴収されてしまっている場合には、確定申告をすれば、多めに差し引かれた所得税が返ってきます。

年収103万円以下であればアルバイトでも所得税が戻ってくる

年収が103万円以下の方で、もし源泉徴収によって会社から所得税を引かれているならば、所得税を支払う必要はありません。

そのため、アルバイト先で年末調整を行ってもらうか、自分で翌年に確定申告を行えば、納めた税金分の金額は還付を受けることができます。

年末調整を受けられるケースは、先ほどの「扶養控除等申告書」をアルバイト先に提出しているか否かがポイントとなります。

提出している場合

「扶養控除等申告書」を提出しているのであれば、アルバイト先が年末調整を行ってくれるため、多く払いすぎた税金分は自動的に還付されます。

還付のタイミングとしては、12月の給与か翌年最初の給与と合わせて振り込まれます。

提出していない場合

「扶養控除等申告書」を提出していない場合は、年収が103万円以下でも源泉徴収で所得税が引かれることになります。

しかし、アルバイト先は年末調整を行ってくれないため、自分で確定申告をしなければ、源泉徴収で自動的に引かれた税金は戻ってきません。

確定申告をするためには、支払った所得税金額を証明するためにアルバイト先から発行される「源泉徴収票」が必要になりますので、受け取った段階できちんと保管をしておきましょう。

アルバイトと所得税の関係。所得税が引かれるのはどのラインから?

ここまでで解説したように、アルバイトでもパートでも、一定金額以上を稼ぐと所得税が引かれることになります。

その中でも、既婚者がパートで働く場合や学生が親の扶養内で働く場合の、収入の目安となる3つの壁について紹介させていただきます。

所得税が引かれるラインである「103万円の壁」、社会保険・国民健康保険が発生する「130万円の壁」、夫や親の税金負担額が増える「150万円の壁」がそれに当たります。覚えておいて損はない基準ですので、ぜひ以下の詳細を見てみてください。

103万円の壁

繰り返しになりますが、所得税が引かれることのないギリギリのラインが、年収103万円の壁です。

ちなみに、会社から支払われる交通費や通勤手当などは基本的には年収に含まれませんので、ご注意ください。

ちなみに、学生以外のパートやアルバイトには106万円の壁もあります。つまり、パートナーの扶養に入っているパートの主婦・主夫や、親の扶養に入っているフリーターは、106万円を超えると社会保険・国民健康保険が発生します。

130万円の壁

103万円の壁の次には、130万円の壁があります。

学生の場合は、「勤労学生控除申請」という書類を提出することで、新たに27万円の控除枠をもらうことができます。

そのため控除金額は「103万円+27万円=130万円」と増え、その130万円を超えない限りは所得税が引かれることはありません。

また、学生でも主婦・主夫でも年収が130万円を超えてしまうと、配偶者や保護者の社会保険の扶養に入り続けることはできなくなり、アルバイトやパート先の社会保険や国民健康保険に加入する必要が出てきてしまいます。

アルバイトやパートの社会保険に加入をすると、社会保険料を支払わなければならず、自分の手取り金額が減ってしまう点はデメリットと言えるでしょう。

また、国民健康保険に加入する場合は国民年金保険への支払いも発生します。

一方でメリットとしては、社会保険に加入することで将来厚生年金を受け取ることができるようになるため、老後の不安を和らげることができます。

150万円の壁

最後が、150万円の壁になります。

パートやアルバイトで働く妻や夫の年収が150万円までであれば、たとえば会社員の夫や妻の税金が増えることはありませんが、このラインを超えてしまうと、配偶者特別控除の金額が減ってしまいます。

その場合、税金の負担額が増えてしまいますので十分注意が必要です。

具体的には、パートやアルバイトの年収が150万円以下という配偶者特別控除を受けるための要件を満たしており、かつ会社員の夫や妻の年収が900万円以下の場合に限り、配偶者特別控除の上限金額である38万円が適用されることになります。

まとめ

基本的には、アルバイトでもパートでも、年収が103万円を超えてしまうと所得税が引かれることになります。

年収がそれぞれ103万円、130万円、150万円の上限金額未満であるにもかかわらず源泉徴収をされている場合は、会社に年末調整をしてもらうか、自分で確定申告をすることで、納めた税金を還付してもらうことが可能です。

また、自分はいくら稼ぐと所得税が引かれるのか、また確定申告が必要か否かについては、ケースバイケースな部分もあるので、自分の状況に当てはめつつ確認をしてもらうと確実です。


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September 28, 2022 at 05:31AM
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