Sunday, October 2, 2022

「我々のミッションは密接に一致していた」:マルチビタミン剤D2CリチュアルのCEOが語る、卸売参入のねらいと施策 - DIGIDAY[日本版]

こちらは、小売業界の最前線を伝えるメディア「モダンリテール[日本版]」の記事です
※モダンリテール[日本版]は、DIGIDAY[日本版]内のバーティカルサイトとなります

サブスクリプション型のウェルネスブランド、リチュアル(Ritual)は、ホールフーズ(Whole Foods)との独占パートナーシップを結び、D2C事業から初めて事業を拡大することになった。

リチュアルの成人用、および産前産後用マルチビタミンのシリーズは、全国のホールフーズの大多数の店舗で販売される予定だ。また、この発売と同時に、ブランドのストーリーと使命を説明するためにデザインされた新しいパッケージも披露する。マルチビタミンの価格は1容器あたり30ドル(約4320円)〜35ドル(約5040円)だ。

2016年の創設以来、同社はおもにD2Cチャネルに注力し、100万人以上の顧客を集め、2021年に1億ドル(約144億円)以上の売上を達成した。さらに5月には、ロサンゼルスに単独店舗を開設した。この次の成長段階として、同社はオフライン、およびD2Cビジネス以外でさらに多くの顧客を獲得しようとしている。

同社は今回の事業拡大のために、いくつかの変更を行った。たとえば、従来オンライン顧客に配達していた透明なボトルの代わりに、卸売向けの新しいカートンを採用した。「ボトル以外にも、ストーリーをより生き生きと表現する必要があった」と、リチュアルの創設者でCEOを務めるキャット・シュナイダー氏は述べている。

シュナイダー氏は、同社が卸売に進出することを決定した経緯と、戦略的な方向について、米モダンリテールに語った。以下のインタビュー内容は簡素さと明瞭さを考慮し、編集を加えたものである。

6年近くD2Cに注力してきたのに、卸売への展開を決断したのはどのような理由か?

オンラインで事業を開始したことで、トレーサビリティをより深く追求し、当社のサプライヤーや原料のすべてについてストーリーを語れるようになった。当社のサイトにアクセスすれば、製造の最終目的地やサプライヤーを確認することができる。

オフラインでの移行するために時間がかかったのは、トレーサビリティに関する深いストーリーを、オンラインで語っていたのと同じように語り、顧客との深い関係を作り上げるにはどうすればいいかと考えていたためだ。

昨年は1億ドルを超える収益を上げ、米国でも有数な妊産婦用ビタミン剤メーカーのひとつになった。これまでに築き上げてきたブランドの認知度と、これまでのストーリーテリングにより、パッケージを通して深いストーリーを語れると確信し、今回それを実行に移した。

小売を開始するためにホールフーズとの提携を選んだ理由は何か?

数カ月前に、ホールフーズの新しいCEOと対談したのだが、両社の使命が非常に密接に一致していたことが明らかになり、大きな期待を寄せている。

この規模になると、あらゆる面においてニーズに応えなければならないと強く思う。当社は信頼をもってリードし、毎日の健康のためにもっとも信頼されるブランドを作り上げている企業として、ホールフーズは高品質と同義語だと確信している。

我々の顧客は、ホールフーズの顧客でもある。

ホールフーズでの発売に合わせて、パッケージを一新した理由は何か?

オンラインで注文すると、リサイクルした新聞紙で作られた封筒で商品が届く。その封筒を開けると、その中には、100%再生素材で作られた透明なボトルが入っている。ただ、ボトルだけではリサイクルに関するストーリーを詳しく語ることができないため、店舗では、ボトル以外にもそれを際立たせる方法を考える必要があった。そこで我々は、ユニットごとのカートンを紙パックで作り、オンラインで伝えているストーリーを、そのカートンで語らせるようにした。

今回の発売で、利用者の目に留まるのは、前面にあるテクノロジーであり、それが人々を引き付けている。そしてカートンの側面には、原料調達のトレーサビリティと、そのほかの科学的なトレーサビリティについて、深く掘り下げて説明している。

御社は最近、フラッグシップ店舗も開設した。これまでのところ、この店舗からの最大の収穫は何か?

この店舗についてのビジョンは、収益を上げることで、その実現に向けて順調に進んでいる。売上の観点からも大きな成功だったが、ベニスとロサンゼルスに当社のコミュニティを作り上げるという点でも成功している。親としての心得や、そのようなライフステージにおける健康をテーマにしたイベントを10数回開催し、消費者を啓蒙してきた。

注目すべき現象のひとつは、店舗での平均注文価格が、オンラインよりも大きいということで、これは実に興味深いことだ。

最大の学びのひとつは、ドットコムやマーケティングファネルでは、主に男性よりも女性をターゲットにしているが、店舗では、顧客層がオンラインよりも男女均等に分かれているという傾向があることだ。

リチュアルの実店舗戦略は、D2C業務をどのように補完しているかについて教えてほしい。

当社の中核的な顧客はオンライン顧客だ。オンラインの顧客は当社のブランドに心から賛同し、会員制のサービスを利用している人たちだ。当社の顧客の中心であり、今後もビジネスの最大の部分を占めるだろう。

卸売の優れた点は、新しい顧客にブランドを認知してもらえることだ。何百もの店舗で商品を販売すれば、ブランドへの認知度は自然に増加すると考えている。既存の顧客と似た層でありながら、オンラインでのサブスクライブを希望しないような、新しい顧客を多少引き寄せられるだろう。

顧客が店舗で我々の商品を見つけ、本当に興味を抱いたら、最終的にサブスクライブするような、エコシステムのような働きをしてくれると考えている。

[原文:‘Our missions were very closely aligned’: Ritual’s CEO on its first foray into wholesale at Whole Foods]

MARIA MONTEROS(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)
Image via Ritual

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October 02, 2022 at 04:00PM
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