Thursday, February 24, 2022

未明のウクライナに「まさか」の爆発音、街から人消え空には戦闘機の音…道路は渋滞・ATMに行列 - 読売新聞オンライン

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 未明の街に爆撃音とサイレンが鳴り響いた。ロシア軍の侵攻が始まった24日、ウクライナ各地に混乱が広がった。首都の上空を戦闘機が飛び、市民は攻撃の恐怖におびえた。日本で暮らすウクライナの人々は、母国の今後を案じて抗議の声を上げ、事態の沈静化を願った。

 首都キエフの教育機関で働くアンナ・ゴボロフスカヤさん(44)は午前5時頃、中心部の自宅で、耳をつんざくような音で目が覚めた。

 聞こえてきた爆発音は3回。「まさか、キエフにまで武力行使をするとは予想していなかった」と本紙の電話取材に語ったゴボロフスカヤさん。爆発から約1時間後、友人から「すぐに逃げよう」と電話があり、身元証明と財布、衣類、水だけを持って車に飛び乗った。サイレンが鳴り渡るキエフを離れ、400キロ以上離れたルーマニア国境に近い古里の街へと向かった。道は避難する車で混雑。歩いて逃げる人も多かったという。

 キエフに住む会社経営ウリアナ・シュベドさん(31)は電話取材に、「爆撃音のような音が聞こえ、何かが起きているという友人からの電話で、たたき起こされた」と振り返った。キエフから離れようと車に乗り込んだが、ガソリンスタンドは、どこも売り切れ。渋滞もひどく、自宅に戻った。

 街からは人けが消え、戦闘機が空を駆け抜けていく音が時々聞こえてくるという。近くの地下シェルターに逃げ込もうとも考えたが、開放されているかどうか分からず、自宅でテレビを見ながら状況を見守る。「自分自身を落ち着かせるのに必死だ。攻撃対象は住宅ではなく軍事施設だけと思いたい」と祈った。

 ポーランド国境に近い西部のリビウでも、銀行の現金自動預け払い機(ATM)に預金を下ろす人の行列ができた。スーパーには開店と同時に客が殺到。長距離バス乗り場は、大きな荷物を抱えた人々であふれていた。

 妻(23)をポーランドに避難させるため訪れた男性(23)は、泣きじゃくる妻を抱きしめ、「自分はリビウに残る。国のために戦う覚悟がある」と語った。

 ロシアによる攻撃は東部ハリコフにも。2006年に来日し、埼玉県東松山市在住のヴィクトリヤ・ヴェレスクンさん(36)の元には、友人から黒煙が上がるハリコフの街の写真が届いた。「最後の最後まで希望を持とうと思っていたが、打ち破られた。悲しみや怒りの感情を超え、言葉が出ない」と悲痛な声で話した。(畑武尊、仲條賢太、リビウ 笹子美奈子)

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