第26回参院選は22日公示され、7月10日の投開票に向けた選挙戦がスタートする。
東北6選挙区(改選数各1)には21日現在、現職5人、新人25人の計30人が立候補を予定する。党派別は自民党6人、立憲民主党3人、日本維新の会1人、共産党2人、国民民主党1人、NHK党6人、諸派6人、無所属5人。総数は前々回(2016年)、前回(19年)の各18人を上回る。青森、岩手、福島の3選挙区は与野党による事実上の一騎打ち。宮城は維新が唯一、新人を擁立する。
東北の視座で政治問う
足元の暮らしがこれほど揺らぐのに、政治は奇妙に安定している。地方は疲弊する一方なのに、政治は有意な選択肢を示さない。将来不安と政治の弛緩(しかん)がない交ぜになる中、参院選はきょう、公示される。
物価高騰、円安、格差、貧困、分断。国内外の政治経済と社会の動揺はひずみとなり、体力の弱い地域にほど早く、深く及ぶ。こと、東北はそうだ。
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の被災地、地域経済の縮小で持続の軌道から外れたまち。経済政策「アベノミクス」が振りまいた成長の幻想に触れる間もなく、あちこちで負の循環が始まっている。
これは、僻目(ひがめ)だろうか。私たちはずっと長い間、この物語から抜け出せない。
近代の東北は国家の拡大と豊かさを約束する資源の供給基地だった。人、食糧、そしてエネルギー。政治は無節操に変転する。東京一極集中だけが一貫し、東北の周縁化が進んだ。そこを震災と原発事故が襲う。
広大な被災地の姿は、時々の政治がつぎはぎで描いてきた東北のかたちの帰結のようにも映る。
直近2回の参院選。東北は政治に矢を放った。6選挙区はそれぞれ与党の1勝5敗、2勝4敗。全国で大勝した当時の政権にとって、2度の乱は喉に刺さったとげとなった。
ここに、東北の視座がある。
乱を呼び起こした野党共闘は今回、ほころびを見せる。政権を歴代最長へと導いた、論戦よりも敵失で与党が勝利する構図が浮かび上がってくる。
揺らぐ、不安の時代。狭い業界の陣取り合戦のような政治を許せるほど、私たちに余裕はない。民意の現在地を示し、政治に緊張感を生むために1票はある。暮らしと政治をかみ合わせたい。そのためには何が。東北の視座で考えたい。
(編集局次長兼報道部長 今里直樹)
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