リサイクルに代わる持続可能な解決策はあるのか
リサイクルは、長らくプラスチック汚染の解決策として一般的だったが、我々を守ってくれてはいない。実際、気晴らしにしかならないと言う研究者もいる。
「私は誕生パーティーではたいてい、リサイクルしない派だ」とラモリーは述べた。
「プラスチック類をもっと持続可能な何かに置き換える方が、よほどいいと思う」
国際連合環境計画(UN Environment Programme)で引用された、2020年の研究では、世界中の70億トンのプラスチックごみのうち、リサイクルされているのは10%に満たないことが分かった。
石油やガスから新しいプラスチックを作る方が安いということも理由の1つだ、とNPRと公共放送サービス(PBS)による調査は示唆している。さらに、プラスチックはリサイクルの度に劣化する。再利用されるとしても、通常は1度か2度だ。数十年のテクノロジーの進歩もこの問題を解決できていない。
「リサイクルのほとんどは、失敗に終わっている」とハルデンは述べた。
仮にプラスチックがもっとリサイクルされるとしても、人体への蓄積は免れないだろう。過去数年の研究は、我々が日々使うプラスチックが、微細な小片や目には見えない化学物質を、食べ物や水、空気中にまき散らしていることを示している。こうした隠れプラスチックは、リサイクルすることができない。
「それは我々の食物連鎖の中に、衣類の中に、家庭の繊維製品の中に入り込んでいる。我々はその上を歩き、それで遊び、その上で眠り、それを身に着けている」と、血液中のマイクロプラスチックを発見した今回の研究を主導した化学者で生態毒性学者のヘザー・レズリー(Heather Leslie)はInsiderに語った。
「我々がこれらを使っている限り、その破片が出ていくことになる」
だから、産業界はプラスチックを環境中に何十年、何世紀と残ることのない、毒性の低い素材に置き換えるべきだとレズリーとハルデンは述べている。建設業者はビニールの床材でなく木やタイルを使えばいいし、ほうきはポリプロピレンでなく小枝で作ればいい。しかし、医療機器や乗り物、電子機器、食品安全包装、その他プラスチックのパーツが必須な日用品の代用は難しいかもしれない。
大規模な置き換えにはほど遠いが、研究者らはキノコ類や竹、砂糖、魚廃棄物など、より生分解性の高い代替物質を開発中だ。
「解決策はあると思う。兆しは見えている」とレズリーは述べた。
「人間の知恵は本当にすごいから、きっと解決できる」
[原文:Recycling doesn't keep plastic out of our stomachs, lungs, or blood, experts say]
(翻訳:Ito Yasuko、編集:Toshihiko Inoue)
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April 14, 2022 at 06:05AM
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いくらリサイクルしても、プラスチックは人体に入ってくる…科学者は毒性の低い素材への置き換えを提言 - Business Insider Japan
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