外出自粛生活では、健康リスクがあるといわれている。一つがビタミンD不足による健康リスク、もう一つは、血ドロドロ・血栓リスクである。
それぞれの健康リスクと対策について、雪国まいたけ主催のセミナーに登壇していた専門家の解説の下、紹介する。
【取材協力】
女子栄養大学栄養学部 教授 上西一弘 先生
1991年より女子栄養大学に勤務。専門は栄養生理学、特にヒトを対象としたカルシウム
の吸収・利用に関する研究、成長期のライフスタイルと身体状況、スポーツ選手の栄養ア
セスメントなど。 2020 年版の「日本人の食事摂取基準」策定において、 2005 年版から
ワーキンググループメンバーを務める。骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会委員も務める。
金町駅前脳神経内科院長 内野勝行 先生
帝京大学医学部卒業。同大学医学部附属病院神経内科に勤務後、
2014 年に『金町脳神経内科・耳鼻咽喉科(現 ・金町駅前脳神経内科)』を開院。各種メディアでの医療監修やテレビ番組への出演など、活動は多岐にわたる。
日本内科学会認定医、厚生労働省認定認知症サポート医、緩和ケア認定医、日本神経学会会員、日本スポーツ協会公認スポーツドクター
ビタミンD不足による健康リスク
●進む研究、ビタミンDは免疫にも関与
ビタミンDは、日光を浴びることで作られることから、外出自粛で不足しがちな栄養素。免疫機能をサポートするといわれているため、コロナ禍には有効な成分とも考えられている。
女子栄養大学栄養学部の教授 上西一弘先生によれば、現在、ビタミンD研究が進んでいるという。これまで、ビタミンDといえば、カルシウムの吸収を促し、骨の健康に役立つことが知られていたが、ビタミンDの働く場所が骨以外にも見つかっていることが背景にあるという。
ビタミンDは腸や骨だけではなく、免疫、血管、すい臓など身体の様々な場所で働くことが判明。筋力の維持、糖尿病、高血圧、循環器疾患、呼吸器感染症、アレルギー、がんなどに関与している可能性について研究が進んでいる。
特に今、関心の高まっている免疫にも関与しており、ビタミンDを取り続ければ風邪を引きにくい体になるという論文もあるという。上西先生は「だからといってビタミンDが免疫にいいと断言するわけではないが、可能性としてはこういうこともある」と話す。
2019年以降に新型コロナに関する論文77件のうち1件に、各国の、血液中のビタミンDのレベルと新型コロナウイルスの症例数に負の相関がみられたという。つまり「ビタミンDの栄養状態の良い国は新型コロナの感染者数が少ない」ということだ。これはビタミンDと新型コロナの関係における代表的な論文だという。
●実は不足しているビタミンD
日本人は他国と比べてビタミンD摂取不足が指摘されている中、厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」のビタミンD摂取目安量が2020年から大幅に引き上げられた。
以前は一日のビタミンD摂取の目安量は5.5μg(マイクログラム)だったが、現在は8.5μgである。これは、紫外線を浴びることで皮膚で作られるビタミンD量も考慮した、食品からの摂取目安である。8.5μgに引き上げられたために、日本人は多くの場合、目安量に満たない状態が現状である。
●ビタミンDの供給源~鮭・まいたけがおすすめ
ビタミンDの供給源は、食品と日光である。食品は、主に魚類とキノコ類だが、近年の魚離れや紫外線対策が強化されている現状、摂取しにくくなっているという。
【主な食品のビタミンD量】
魚類
サケ(一切れ/80g) ビタミンD:25.6μg
イワシ丸干し(1尾/30g) ビタミンD:15.0μg
サンマ(1尾/正味100g) ビタミンD:14.9μg
キノコ
マイタケ(生)(100g) ビタミンD:4.9μg
シイタケ(生)(100g) ビタミンD:0.4μg
ビタミンDを効率よく食品から摂取するにはサケが最もおすすめだという。サケのビタミンDは一切れ当たり25.6μgで、1日一切れ食べれば、摂取目安量8.5μgよりはるかに多い量を摂取できる。週2で食べると良いそうだ。先生は大学の生徒たちに「コンビニでおにぎりを買うときは鮭おにぎりにしなさい」と指導しているという。
キノコ類では干しいたけに多いが、最近では乾燥しいたけが多く、天日干ししていないタイプなので、ビタミンDは少ないそうだ。その点、まいたけは100g中、4.9μgのビタミンDを有するため、おすすめの食品だという。和洋中いろいろな料理との相性が良いので、1日100gでも無理なく一年中摂取できる。脂溶性ビタミンなので、炒めるなど油調理によってより吸収が高まる。
ビタミンDは、日光を浴びる機会が減っている外出自粛の今、不足しがちで、さらに免疫力を維持したいところもあるため、積極的に摂取したい栄養素である。日光を浴びる機会を増やすほか、食品からは鮭やまいたけで効率よく摂取するのがよさそうだ。
血液ドロドロ・血栓リスク
続いてのリスクは、テレワークや外出自粛によるなどの運動不足や、猛暑時のマスク着用によって自覚症状なく脱水状態になることによる、血液ドロドロ、血栓リスクだ。金町駅前脳神経内科 院長 内野勝之先生によれば、この夏は血液ドロドロと血栓に注意が必要だと話す。
暑さが厳しい季節、大量に汗をかくと体内の水分が不足し、血液の濃度が高くなることで血液がドロドロになる。すると血栓ができやすくなり、最悪の場合、脳梗塞や心筋梗塞などの死に至る病へつながるという。
特にマスクの着用が続く今、喉の渇きを感じにくくなるため、水分補給がしにくくなり、血液ドロドロ状態が続いてしまうリスクがあるという。
さらに、在宅勤務などの長時間のデスクワークで同じ体勢でいることにより、足の血流が悪くなり、血栓リスクが高まる。
実際、先生のところにくる夏血栓患者は、肌感では例年より2~3割増えているそうだ。
●血液ドロドロと血栓を予防する方法3つ
この血液ドロドロと血栓を予防する方法が、内野先生より3つ紹介された。
1.こまめな水分補給
1日に1.2~1.5リットルの水分補給が必要になる。起床後、朝食後、昼食後、夕食後、寝る前の5回水分補給すれば、だいたい1.2~1.5リットルの量はとれるという。
2.デスクワークでの血流悪化を防ぐ
デスクワークの人は、「ふくらはぎつま先立ち体操」を行うのがいいそうだ。座ったまま、ふくらはぎを意識しながらかかとを上下に動かすだけ。血流を促せる。2時間おきに20回1セットを行おう。
3.日々の食事
おすすめ食材はまいたけだそうだ。まいたけに含まれるナイアシンには血管を広げる効果が期待できる。またβグルカン、αグルカン、ビタミンDは免疫力アップにもつながるという。
汗を大量にかく今、熱中症予防のほかに血液ドロドロ・血栓予防のためにも水分補給はしっかり行おう。さらに在宅勤務者は、運動不足による血流悪化にも注意することが大事だ。
食事においてはビタミンDを含むまいたけにも注目だ。
取材・文/石原亜香利
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September 08, 2020 at 08:21AM
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