日本人家族を助けた中国人女性が死亡 地元政府などが称賛
ケリー・アン、BBCニュース
中国の江蘇省蘇州市で日本人学校の送迎バスが刃物を持った男に襲われ、けがをして重体だった中国人女性が亡くなった。蘇州の公安当局が28日に発表した。
発表によると、胡友平さんが送迎バスに乗務していた24日、日本人学校前のバス停で、男が日本人女性とその子供を襲った。
胡さんは男を拘束しようとして、重傷を負った。病院に搬送されたものの、26日に亡くなったという。
襲われた母子は負傷したものの、命に別状はなかった。容疑者は52歳の中国人男性で、現場で逮捕された。
ネット上では胡さんをたたえる書き込みが相次ぎ、蘇州市は胡さんに「正義のため勇敢に行動した模範」の称号を与えると発表した。
在中国の日本大使館も胡さんを追悼し、半旗を掲げた。同大使館は微博(ウェイボー)上の声明で、胡さんの死を聞いて「悲しんでいる」と述べた。
「胡さんの勇気と優しさは、中国人民の勇気と優しさを表すものだと思います。私たちは彼女の正しい行いに敬意を表します。ご冥福をお祈りします」と日本大使館は述べた。
上川陽子外務大臣も28日の記者会見で、胡さんの死去について「深い悲しみを禁じ得ません」と述べ、「胡友平氏は、身を挺してスクールバスに乗っていた日本人児童生徒への被害を防がれました。こうした勇気ある行動に改めて深い感謝と敬意を表するとともに、心からのお悔やみを申し上げます」と追悼した。
中国のソーシャルメディアでも、弔意と称賛の書き込みが続いた。
「微博」には、「私たちはあなたの優しさと勇気を忘れない。あなたは日本の友人の安全を守り、普通の中国人の評判を守ってくれた」という投稿もあった。
胡さんを「平凡で、高潔で、勇気のある中国のお姉さん」と表現する人もいた。
今月初めにも、中国北東部・吉林省の公園でアメリカ人の大学教員4人が負傷する刺傷事件が起きている。
中国当局は、この2つの事件は互いに無関係だと説明している。
中国国営紙の環球時報は28日、胡さんに敬意を表する社説の中で、「中国は間違いなく、今も世界で最も安全な国のひとつだ」と主張した。
社説とは別に同紙によると、「微博」は蘇州の事件後、「国民主義的感情を煽る」759件の投稿を削除したという。削除された投稿には「過激な意見」が含まれ、「集団憎悪を助長し、愛国心の名の下で犯罪行為をたたえることさえしていた」という。
蘇州の事件を受けて、現地の日本人社会に不安が走った。在上海の日本総領事館は
「最近、中国各地で人の集まる場所(公園・学校・地下鉄等)における刺傷事件が発生していますので、外出の際は周囲の状況にくれぐれも留意してください」と呼びかけた。
中国外務省は、今回の事件は「遺憾」であり、「中国にいるすべての外国人の安全を真剣に守るために、効果的な措置をとり続ける」と述べた。
中国ではこの1年、刃物による襲撃事件が相次いだ。
今年5月には江西省の小学校で2人が死亡、10人が負傷した。同月には雲南省の病院でも刃物による事件があり、2人が死亡、21人が負傷した。
昨年7月には、広東省の幼稚園が襲われ、子ども3人を含む6人が刃物で殺害された。
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