4日に行われた前橋市長選は、野党系の新人小川晶氏(41)が自民、公明推薦の現職山本龍氏(64)を破って初当選した。「保守王国」とされる群馬での敗北に、与党内では深刻に受け止める声が広がった。自民党の一部が小川氏の支援に回ったことが響いたが、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件やその対応も大きな痛手となった。野党は、今回の勝利を4月の衆院3補選につなげることを狙う。
◆「今、解散したら…」 戦々恐々の与党
「前橋は自民の牙城。逆風の強さを思い知らされた」。ある自民議員は驚きを隠せない様子で語る。敗因について「一部の派閥が存続するなど、政治改革への姿勢が不十分と見られた。麻生太郎副総裁が上川陽子外相の容姿や年齢をやゆした問題も響いた」と分析した。
別の自民議員は「今、衆院を解散したら結果は悲惨だ」と戦々恐々。自民と連立を組む公明幹部も「敗因をよく見なければいけない」と厳しい表情で語る。
野党は勢いづく。当選した小川氏を支援した立憲民主党の幹部は「非自民の政治を求める民意は高まっている。政治とカネは4月の3補選でも大きな争点になる」と手応えを語る。共産党の小池晃書記局長は記者会見で「裏金問題に対する市民の怒りが示される結果だった」と振り返った。
◆識者「4月の補選にも影響か」
東北大大学院の河村和徳准教授(政治学)は「裏金事件で無党派層が離れたことに加え、現職は3期目なので思ったより支援組織が弱っていた可能性もある」と指摘。「県庁所在地の首長選は、人口や面積が衆院小選挙区の『1区』とも通じる面がある。4月の衆院補選にも影響を与える可能性がある」とも語った。(大野暢子、我那覇圭)
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