●ビッグデータと昔からの情報との違い SNSや検索などの利用によって、さまざまな個人情報が、これらのサービスを提供する企業に集まる。こうしたデータを「ビッグデータ」という。それが、新しい情報産業の目覚ましい成長の源泉になっている。 ところで、データや情報は重要なのは、今に始まったことではない。昔から重要だった。特に軍事において、そうだ。対戦相手の装備や戦略などを知ることは、しばしば勝敗を決した。そのような事例が、歴史でいくつも伝えられている。 このような場合には、個々の情報が高い価値を持ち得る。「1つの数字がとてつもなく重要」ということもあるだろう。 ところが、ビッグデータの場合、たとえば「私がどのような言葉で検索をしたか?」という情報は、それだけをとってみれば、ほとんど経済価値がない。 しかし、こうした情報が極めて大量に集まると、経済的に意味があるものになり得るのだ。この意味で、ビッグデータは、従来からの情報やデータとは、異なる次元のものだ。 ●グーグルのビッグデータの価値は2兆ドルを超える ビッグデータの価値は、どのくらいだろうか? これを推計する1つの考えは、ビッグデータを扱う企業(以下、「プラットフォーム企業」と呼ぶ)につき、帳簿に計上されている資産額と時価総額を比較し、その差がビッグデータの価値だとすることだ。 しかし、ビッグデータを扱っていない通常の企業であっても、将来の成長率が高いと評価されれば、株価が高くなり、したがって、時価総額が多くなる。このように、時価総額は将来に対する成長期待を反映しているので、ビッグデータの価値を表しているとは限らない。 そこで、ここでは、アルファベットやフェイスブックなどプラットフォーム企業のROA(総資産利益率=P÷K)が、ほかの優良企業に比べて顕著に高いことに注目した分析を行う。ここで、Pは当期純利益、Kは企業会計上で評価されている資産(総資産額)だ。 そして、次のように考えることにする。ビッグデータの価値をBで表わす。ここには、ビッグデータを用いる技術の価値も含まれている。 プラットフォーム企業のROAが高い値となるのは、ビッグデータが利益を生んでいるにもかかわらず、その価値が企業会計で資産として評価されていないからだろうという想定だ。 本来は、P÷(K+B)を見るべきだ。 そして、プラットフォーム企業であっても、この値は、米国の通常の優良企業のROAと同程度だろう。 ゼネラル・エレクトリック(GE)やゼネラル・モーターズ(GM)のROAが2.8%であることを参照して、以下では、プラットフォーム企業のP/(K+B)は、2.8%程度だと仮定する(この仮定については、再述する)。 今、B=αKと置くと、P/(K+B)=ROA/(1+α)となる(これを、式1とする)。 ROAが実際に2.8%である企業では、α=0となる。プラットフォーム企業ではROAが2.8%より高いので、αは0より大きな値となる。 アルファベット(グーグルの持ち株会社)の2020年度(2020年1月~12月)におけるROAは10.34%なので、式1から、α=3.7となる(以下では、簡単化のため、アルファベットはグーグルと表記し、同一視する)。 つまり、グーグルが保有するビッグデータの価値は、同社が保有する通常の資産の4倍近い。グーグルが保有するサーバなどの固定資産は巨額のもののはずだが、ビッグデータの価値は、それよりずっと大きいのだ。 ところで、2020年度におけるグーグルの利益Pは630億ドルだ。 ROA=P/K=αP/B=3.7P/Bが10.34%なので、B=2.25兆ドルとなる。したがって、B+Kは、2.85兆ドルとなる。これはとてつもない額だ。 2.25兆ドルを日本円に換算すれば248兆円になるが、これは、東証一部上場企業の時価総額の合計710兆円(2021年5月末)の約35%になるのだ。 ところで、グーグルの2021年6月の時価総額は、1.67兆ドル だ。したがって、株式市場は、ビッグデータの価値を評価しているものの、かなり過小評価だと考えられる。
"いくら" - Google ニュース
July 05, 2021 at 08:50AM
https://ift.tt/3Av7CAY
大胆試算!グーグルの持つビッグデータの価値はいくらになるのか?(ビジネス+IT) - Yahoo!ニュース
"いくら" - Google ニュース
https://ift.tt/3amK9Ff
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update
0 Comments:
Post a Comment