大卒サラリーマンが生涯でどのくらい税金を支払うのか、疑問に思っている人も多いでしょう。税金には所得税や住民税などの種類があるため、それぞれ計算していかなくてはなりません。 本記事では大卒の平均賃金を参考に、生涯で支払う税金額を算出していきます。支払う税金の種類や額を知っておきましょう。
大卒の生涯賃金
大卒サラリーマンが生涯支払う税金を知る前に、まずは生涯賃金がどれくらいか見てみましょう。 労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計 2020 労働統計加工指標集」によると、大学・大学院卒業後、フルタイムの正社員を60歳まで続けた場合の生涯賃金は、男性2億7000万円、女性2億2000万円だと分かりました。 なお、この数値は退職金を含めません。
大卒が生涯に支払う税金
大卒の生涯賃金が2億7000万円だと仮定して、生涯に支払う税金のうち所得税と住民税を算出します。ここでは、計算しやすいように年収730万円×37年の勤続年数と想定し、賃金(給与・賞与)以外に収入はないものとして計算しました。 なお、年齢による年収の変動・扶養家族などの影響は考慮していません。また、収入や扶養状況などによって変動する社会保険料に関しては、料率を15%と仮定して年間110万円で計算しています。 <所得税> 所得税は、個人の収入から給与所得控除・所得控除を差し引いた金額に対し課税されます。課税所得金額によって税率が変わる、累進課税方式です。まずは、年収から給与所得控除額・基礎控除・社会保険料を差し引き、課税所得を算出します。 730万円(収入)-183万円(給与所得控除額)-48万円(基礎控除)-110万円(社会保険料)=389万円(課税所得) 課税所得389万円の場合の所得税率は、課税所得330万円~694万9000円の人にかけられる税率20%で計算します。同時に、控除額42万7500円を差し引いて所得税を計算しましょう。 389万円×20%-42万7500円=35万500円/年 このように、年間の所得税が約35万円だと分かりました。生涯に支払う所得税を計算するため、大学卒業から60歳になるまでの37年をかけます。 35万500円×37年=1296万8500円 大卒サラリーマンが生涯に支払う所得税は、1296万8500円となります。 <住民税> 住民税には、都道府県が課税する都道府県民税と、市区町村が課税する区市町村民税があります。住民税の税率は収入に関わらず一律で、10%(都道府県民税4%、区市町村民税6%)です。 住民税は所得割と均等割に分けられるため、これらを別々に計算し最後に足し合わせることで算出されます。 所得割は、課税所得金額に税率10%をかけ、税額控除をすることによって算出されます。課税所得金額は所得税と同様に、年収から給与所得控除額・基礎控除・社会保険料を差し引いて計算します。 730万円(収入)-183万円(給与所得控除額)-43万円(基礎控除)-110万円(社会保険料)=394万円(課税所得) この課税総所得金額に税率10%をかけ、税額控除を差し引くことで所得割額を導き出します。また、今回の場合、税額控除の金額は調整控除の2500円となります。 394万円(課税所得)×10%-2500円(税額控除)=39万1500円(所得割額) 均等割額は収入に関係なく一律で5000円とされているものの、地域によっては額が異なる可能性があるため、確認しましょう。 39万1500万円+5000円(均等割額)=39万6500円/年 ここに、勤労年数37年をかけて生涯に支払う税金を明らかにします。 39万6500円×37年=1467万500円 大卒サラリーマンが生涯支払う住民税は1467万500円と分かりました。 <その他税金> 所得税や住民税以外に、支払う可能性のある税金は以下のとおりです。 ・消費税 ・固定資産税 ・自動車税 ・酒税 ・たばこ税 ・相続税 ・贈与税 これらの税金は置かれている状況によって大きく変動するものであるため、本記事では計算に組み込んでいません。
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November 30, 2021 at 10:13AM
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