新型コロナウイルスのワクチンをめぐり、大会場での集団接種ではなく地域の診療所での個別接種を中心に行う東京都練馬区の「練馬区モデル」を政府が推奨するなどして注目を集めている。一般高齢者の接種は4月以降、区市町村を主体に始まる予定だが、いかに短期間に幅広く、多くの人々に接種できるかがカギになってくる。個別接種は地域の医療資源を効率活用できる一方、ワクチンを小分け配送することになり、低温に保つ必要があるワクチンを適切に管理・輸送できるかなど、課題も多い。(荒船清太)
《早くて近くて安心です》
練馬区は1月29日、「練馬区モデル」と銘打って個別接種を中心とする接種計画を発表した。
区によると、個別接種は約250カ所の診療所で実施。そのほか、高齢の施設入所者らを念頭に平日は計10カ所の病院と区立施設、土日は区役所本庁舎と8カ所の学校体育館での集団接種を組み合わせ、短期間での接種完了を目指す。
個別接種はかかりつけの診療所へ直接申し込む。ワクチンは区が予約状況を把握した上で週2回、各診療所に小分けして配送。3月からネットや区報などで周知し、中旬以降に接種券を送付し始める。区の人口74万人のうち高齢者は16万人。接種率は高齢者へのインフルエンザワクチンと同程度の約65%を見込み、最初の6週間で2回目の接種まで完了するとしている。
区住民接種担当課によると、集団接種を中心にすると接種会場に医師・看護師を十分に確保できなくなるおそれがあり、個別接種を中心に据えた。担当者は「通常のインフルエンザの予防接種と同じような手順で受けられるため、利用者の混乱も少ない」と話す。
厚生労働省は、練馬区モデルを先進的事例として紹介する事務連絡を各自治体に発出。区には各自治体から問い合わせが相次いでおり、京都市が導入に向けて検討を開始したほか、大分県も県内の各市町村が個別接種を中心とした体制を整備する方針だ。
ただ、個別接種には課題もある。
ワクチンはいずれの種類も低温での管理が必要で、特に最も承認が早いとされる米ファイザー社のワクチンは、マイナス75度前後という超低温での扱いが求められ、冷蔵庫に移してからは5日しか保存できない。
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