大型で強い台風６号は３日、沖縄県・宮古島の北の海上を西に進んだ。４日から６日頃にかけて進路を東寄りに変え、沖縄本島付近に再び接近する見込みで、台風の影響が長引く恐れがある。気象庁は、高潮や高波への厳重な警戒を呼びかけている。
同庁によると、台風６号は３日午後９時現在、宮古島の北北西約２３０キロの海上でほとんど停滞している。中心気圧は９４５ヘクト・パスカル、中心付近の最大風速は４０メートル。
県などによると、３日午後８時時点で少なくとも１人が死亡、４２人が重軽傷を負った。このほか、１日夜、同県うるま市で発生した住宅火災で、住人の仲田とよさん（８９）が死亡した。県警によると、停電でろうそくを使っていたとみられる。
電柱や電線の破損も相次ぎ、沖縄電力によると、最大２１万５８００戸が停電した。全体の３４％にあたり、同社は「過去１０年では２０１８年の台風２４号に次ぐ停電戸数」としている。３日午後８時現在、約９万戸が停電しており、復旧作業を急いでいる。
住宅の損壊や浸水被害も多く、那覇市安里の「栄町市場商店街」ではアーケード天井部分が破れた。３日、様子を見に来た店舗仲介業の男性（４３）は「台風が戻って来るようなので、被害が広がらないよう祈る」と話した。
１日から閉館していた那覇空港（那覇市）は３日午後から航空各社が運航を再開。臨時便も運航したが、足止めを余儀なくされた観光客らがチケットを求めて、航空各社のカウンター前に長蛇の列を作った。
東京都の公務員男性（３４）は「１日に羽田空港に向かう予定だったので延泊の宿泊費がかさんでいる。早く帰りたい」と疲れた表情を浮かべた。
沖縄県は３日、災害対策本部を開き、玉城デニー知事は「速度が遅く影響が長引く恐れがある」とし、不要不急の外出を控えるよう求めた。
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