中古マンションを購入したら、毎年支払うことになる固定資産税。固定資産税額は不動産の条件や築年数によって違いがあるので、あらかじめシミュレーションしておくと安心です。今回は、中古マンションの固定資産税の計算方法や、築年数ごとのシミュレーション例などを紹介します。
固定資産税とは
固定資産税とは、土地や建物などの不動産を所有している人に対して課せられる税金のことです。毎年1月1日時点での所有者に納税義務が発生し、資産価値に応じて算出された税額を市町村に支払います。
納税額は「固定資産税評価額×税率(標準は1.4%)」ですが、一定の条件を満たすと軽減措置の対象になります。
固定資産税を支払うタイミングは?
固定資産税は地方税なので、市町村によって支払いのタイミングが異なります。たとえば、東京23区内は6月・9月・12月・翌年2月の年4回ですが、横浜市や千葉市は4月・7月・12月・翌年2月となっています。また、支払い回数は年4回の分割納付が一般的ですが、市町村によっては一括納付などの方法も用意されています。
毎年4~6月ごろに振込用紙と納税通知書が送られてくるため、通知書に書かれている案内に従って支払います。納税通知書には、納付する税額・期限・算定の基準となった固定資産税評価額などが記載されています。
中古マンションの場合は、購入した初年度については、1年間の納税額を日割りで計算し買主が支払うよう設定されていることもあります。購入時に必ず不動産会社に確認しましょう。
固定資産税がかからない場合はある?
固定資産税は、不動産を所有している人に課せられる税金ですが、土地や建物の評価を基に決定する「課税標準額」が一定金額に満たない不動産は免税される措置が取られています。
課税標準額の合計額を「免税点」といい、免税点未満の場合は課税されません。固定資産税の免税点は、土地が30万円、建物が20万円です。つまり、土地の課税標準額が30万円未満、建物の課税標準額が20万円未満であれば、固定資産税はかかりません。
中古マンションの固定資産税の計算方法
固定資産税額は、課税標準額に税率を掛けて求めます。標準税率は1.4%ですが、地方によって税率は異なります。
計算方法の例
土地の課税標準額が700万円、建物の課税標準額が600万円の場合
- 土地:700万円×1.4%=9.8万円
- 建物:600万円×1.4%=8.4万円
- 固定資産税の合計:9.8万円+8.4万円=18.2万円
課税評価額は、市町村が固定資産評価基準に基づいて決定します。土地の課税評価額の目安は公示価格の70%、建物は時価の70%が目安とされています。
建物の課税評価額は、構造や性能が優れていると上がり、築年数が経過すると下がる仕組みです。
固定資産税は軽減措置を受けられる?
固定資産税は、一定の要件をクリアした場合に軽減措置が受けられます。中古マンションの場合は、土地の固定資産税に対して「住宅用地の特例措置」が適用されます。
【住宅用地の特例措置】
200平米以下(小規模住宅用地) |
固定資産税額×1/6 |
---|---|
200平米以上(一般住宅用地) |
固定資産税額×1/3 |
この特例で用いるマンションの面積は、敷地全体の面積を居住用住戸の戸数で割った面積になるため、ほとんどの物件が小規模住宅用地に分類されるでしょう。
仮に、土地の課税評価額が700万円で面積が200平米以下だった場合は、以下のような計算式になります。
- 700万円×1/6×1.4%=約1.6万円
固定資産税と同時に課税される都市計画税とは?
固定資産税とともにマンション購入者に課される税金として、都市計画税があります。都市計画税は市区町村の発展のために使われる税金で、「市街化区域」に建てられた土地と建物が対象となります。購入予定のマンションが市街化区域にあるかどうかは、不動産会社に問合せをすれば確認できます。
都市計画税の計算式は、「固定資産税評価額×上限税率0.3%」です。条件に当てはまっている場合は自治体が手続きを行い、軽減措置等が適用された形で納付書が送られてきます。
中古マンションを探す中古マンションの固定資産税のポイント
固定資産税の税額は、建物の種類や築年数など、さまざまな要素によって変わってきます。ここでは、中古マンションの固定資産税を考えるうえでのポイントと注意点を紹介します。
一戸建てよりもマンションの方が固定資産税は高くなりがち
まず、一戸建てとマンションの固定資産税の違いですが、購入価格が同じでもマンションの方が固定資産税は高くなる傾向があります。
物件価格の金額を100%とすると、地域によって違いはあるものの、一戸建ては「土地70%、建物30%」の割合といわれています。一方、マンションはその逆で「土地30%、建物70%」の割合になるといわれています。
土地に関しては軽減措置の対象となるため、土地の割合が低いマンションの方が一戸建てよりも固定資産税が高くなります。また、マンションは建物の価値が下がりにくいことも、固定資産税が高くなりがちといわれる要因です。
築年数によって固定資産税の評価額が変わる
固定資産税額を決める建物の評価額は、年数の経過とともに減額されます。この減額の割合を「経年減価補正率」と呼び、補正率は建物の種別や構造ごとに定められています。
そのため、中古マンションは新築マンションより固定資産税は低くなります。ただし、建物が耐用年数の長い鉄筋コンクリート造の場合、税法上の価値がゼロになるまでの期間(減価償却期間)が長いため、ある程度の期間は比較的高い固定資産税を支払うことになります。
リフォームをすると、固定資産税は上がる?
建物は年数の経過とともに評価額が下がると前述しましたが、リフォームや改装工事を行うことで、固定資産税が上がるケースもあります。
たとえば、耐震性能の向上に関わる工事や建物面積・延床面積が増えるような大規模なリフォーム工事をした場合は、固定資産税が高くなる可能性があります。一方、内装や水回りの改修工事など、建物の主要部分に関わらない工事については固定資産税への影響はありません。
固定資産税を延滞するとどうなる?
固定資産税は、納税義務がある者は必ず支払わなければなりません。仮に、納税通知書に記載された期限を過ぎても支払わなかった場合は、他の税金と同じように延滞金が発生したり、最悪の場合は物件を差し押さえられてしまったりすることもあります。書類が届いたら、必ず期日までに支払うようにしましょう。
中古マンションの固定資産税を築年数別にシミュレーション
それでは最後に、築年数ごとに固定資産税がどのくらい変わってくるのか、シミュレーションしていきます。
今回のシミュレーションでは、土地面積は200平米以下で軽減措置を受けるものとし、非木造で物件価格に占める建物と土地の割合は「建物70%、土地30%」と仮定します。
なお、経年減価補正率は、東京法務局の「経年減価補正率表」の減価補正率を適用します。
条件
- 物件価格:3,000万円
- 建物:2,100万円、土地:900万円 ※新築時の評価額
- 評価額はそれぞれ時価の70%で計算
- 非木造建築
築10年(経年減価補正率は0.7397)
建物:(2,100万円×70%)×1.4%×0.7397=約15.2万円
土地:(900万円×70%)×1/6×1.4%=約1.5万円
合計:15.2万円+1.5万円=16.7万円
築20年(経年減価補正率は0.5054)
建物:(2,100万円×70%)×1.4%×0.5054=約10.4万円
土地:(900万円×70%)×1/6×1.4%=約1.5万円
合計:10.4万円+1.5万円=11.9万円
築30年(経年減価補正率は0.3059)
建物:(2,100万円×70%)×1.4%×0.3059=約6.3万円
土地:(900万円×70%)×1/6×1.4%=約1.5万円
合計:6.3万円+1.5万円=7.8万円
築40年(経年減価補正率は0.2089)
建物:(2,100万円×70%)×1.4%×0.2089=約4.3万円
土地:(900万円×70%)×1/6×1.4%=約1.5万円
合計:4.3万円+1.5万円=5.8万円
上記はあくまで一例ですが、築年数が30年以降の物件の固定資産税は10万円以下となることが分かります。
実状に近い固定資産税額を知りたい場合は、実際の販売価格等から評価額を算出し、シミュレーションしてみるといいでしょう。
中古マンションを探す記事のおさらい
固定資産税って何?
固定資産税は、土地や建物などの不動産を所有している人に対して課せられる税金です。毎年1月1日時点での所有者に納税義務が発生し、資産価値に応じて算出された税額を市町村に支払います。詳しくは、「固定資産税とは」をご覧ください。
中古マンションの固定資産税はどうやって計算する?
固定資産税は、課税標準額に税率(標準税率1.4%)を掛けて求めます。また、要件を満たせば軽減措置の対象になります。詳しくは、「中古マンションの固定資産税の計算方法」をご覧ください。
中古マンションの固定資産税の特徴は?
固定資産税は一戸建てよりもマンションの方が高くなりがちで、築年数やリフォームの実施有無などによって変わってきます。詳しくは、「中古マンションの固定資産税のポイント」をご覧ください。
中古マンションの築年数ごとの固定資産税はどのくらい?
物件価格3,000万円、土地面積200平米以下とした場合、築年数20年程度までは10万円以上、築年数30年以降は10万円未満と試算できます。築年数ごとの中古マンションの固定資産税については、「中古マンションの固定資産税を築年数別にシミュレーション」をご覧ください。
中古マンションを探す"いくら" - Google ニュース
July 20, 2023 at 09:34AM
https://ift.tt/NdY0L2l
【ホームズ】中古マンションの固定資産税はいくら? 計算方法と築 ... - LIFULL HOME'S 住まいのお役立ち情報
"いくら" - Google ニュース
https://ift.tt/DlfV1gX
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update
0 Comments:
Post a Comment