2024年01月10日07時17分
能登半島地震を受け、自衛隊は派遣規模を段階的に増やし、現地に投入した隊員数は9日時点で約6300人となった。半島先端部への災害派遣という地理的制約から、過去の同規模の地震に比べて少数での対応を余儀なくされ、「逐次投入」との批判も受ける。その中で救助や捜索に加え、避難所で要望を聞き取るなど被災者支援任務が従来以上に拡大している。
木原稔防衛相は9日の記者会見で、自衛隊派遣について「その時点で必要となる最も効果的な活動を見極めつつ人員を振り向けることとしている」と強調。寸断された道路を復旧しながら活動地域を広げ、部隊を投入していると説明した。
防衛省は地震発生から一夜明けた2日朝、陸上自衛隊中部方面総監を指揮官とし、陸海空3自衛隊部隊の指揮系統を一本化した1万人態勢の統合任務部隊を編成。被災地への派遣人数は当初の約1000人から徐々に増強してきたが、野党は「逐次投入になっている」(立憲民主党の泉健太代表)と批判した。同じ震度7を記録した2016年の熊本地震や18年の北海道胆振東部地震では、3~4日目で2万人を超えていた。
熊本や北海道に比べ、北陸は陸自の配備が手薄だ。石川、富山、福井3県には金沢駐屯地など3拠点しかなく、初動で投入できる人員は限られていた。能登半島への陸路のアクセスも南からの一方向しかなく、道路網が寸断され、海と山に挟まれた地形は大規模に展開しにくい事情もあった。防衛省幹部は能登半島について「どこでも震災対応できるよう日ごろから準備しているが、その中でもとりわけ厳しい」と語った。
一方で自衛隊の役割は増している。当初は被害状況の偵察や救援、警察や消防のレスキュー隊員の航空輸送に従事していたが、岸田文雄首相は3日、自治体が対応できていない避難所ごとにきめ細かくニーズを把握するよう自衛隊に指示した。
防衛省は「御用聞き作戦」と称して400人規模で避難所や孤立集落を回る態勢を構築。自衛隊幹部は「自治体業務を体系的に担うのは初めてだ」と指摘した。コンビニエンスストアやスーパーマーケットとも連携し、車両やヘリ、徒歩で物資運搬も行っている。
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