自民党総裁選で事前に世論の期待が高かった河野太郎行政改革相は、岸田文雄氏に敗れた。新執行部で河野氏が就いた役職は党広報本部長で、河野氏周辺に「格落ちポスト」と落胆が広がった。河野氏は、なぜ「完敗」(河野陣営)したのか。
「どんな仕事も大事な仕事ですから、与えられた仕事を一生懸命やる。政権与党の広報は非常に役割が大きいと思っている」
党広報本部長に就いた河野氏は1日、記者団から「格落ちでは」と問われそう応じた。岸田氏周辺は「衆院選が近づいている。発信力のある河野さんに期待する」と語る。ただ、河野氏を支援した面々からは外相や防衛相などを歴任してきただけに「完全に冷や飯だ」との声が漏れる。
投票1回目の河野氏の得票は、党員・党友による地方票382票のうち約44%の169票。石破茂元幹事長や小泉進次郎環境相ら発信力のある「援軍」が陣営に加わったが、コロナ禍で街頭に立てず、最低目標の5割に届かなかった。
より厳しかったのは国会議員票だ。86票の河野氏は、146票の岸田氏はもちろん、114票の高市早苗前総務相にも後れを取った。河野氏の選対幹部は「想定したシナリオのうち、ワーストだった」。決選投票になれば、岸田氏と高市氏による「連合」が伝わっており、1回目の議員票の得票で勝機は事実上、失われた。
誤算はどこから生じたのか。
一つは、いまの自民党が置か…
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