昔は、競技車両のリアスポイラーはGTウイングやWRCで大活躍した2代目インプレッサのスプリッターウイングなど、迫力あるものが多かった。
2000年代までは「高性能車ほど凄いリアスポイラーが付いている」という風潮があったほど、争うようにリアスポイラーの凄さが強調されていた時代もあった。
それに対し、最近の市販車はスポーツモデルでもリアスポイラーが強烈に大きい、ド派手な形状をしているクルマというのはあまり見なくなった。
天を仰ぐような巨大なウイングはGT選手権やWRCなどのレーシングカーには装着されているが、市販車としてはポルシェ911GT3、GT2RS&GT3RS、STIコンプリートカーくらいだろうか。寂しいかぎりである。
そこで、かつて凄いリアスポイラーを装着していたクルマを振り返りながら、今いくらで買えるのか調べてみた。
文/永田恵一
写真/トヨタ 日産 ホンダ スバル STI 三菱 ポルシェ
【画像ギャラリー】ほかにもこんなクルマがあった!! リアウイングがド派手なクルマをギャラリーでチェック!!
2代目トヨタスープラ
1993年登場の2代目スープラは日本車で巨大なリアスポイラーを装着した最初のモデルだった。その理由は2代目スープラがスポーツカーでありながら、ポルシェ928のように「アウトバーンを超高速で走れるGTカー」という要素にも注力していたためである。
このリアスポイラーの効果は絶大で、最高速テストなども盛んだった当時の自動車メディアで2代目スープラのターボ車は280km/h程度の最高速を記録し、最高速で走行中も「スタビリティ(走行安定性)は恐ろしいほど高い」と絶賛されていた。
中古車検索サイトを見てみると、この原稿を執筆している4月上旬時点で2代目スープラの中古車は30数台しか流通しておらず、純正のリアスポイラーを装着している物件はその半分程度だ。
中古車価格はNA車で250万円から、ターボ車になると350万円程度のものもあるという具合で、ノーマルに近いターボ車は数台しかない。さらにリアスポイラーの付いたターボ車のフルノーマル、走行距離1万km台という物件になると新車価格の倍以上となる1000万円を超え、「価格は応談」という物件も少なくない。
トヨタ86エアロパッケージ
2代目モデルが公開されて話題となっているトヨタ86の初代モデルには、ビッグマイナーチェンジ前の前期型をベースにGTウイングの装着を含めたスペシャルモデルとして100台限定で販売されたGRMN(価格は648万円)もあったが、86GRMNは原稿執筆時点では中古車が流通していない。そのため前期型の最後となるDタイプに設定されたエアロパッケージを紹介する。
エアロパッケージは2015年7月に期間限定で追加されたカタログモデルにはないイエローのボディカラーを纏ったイエローリミテッドのバリエーションとして、リアスポイラーを含めたエアロパーツを加えたモデルである。エアロパッケージには標準車とBBSの鍛造ホイール+18インチタイヤ、ザックス製ダンパー、スポーツブレーキパッドが付くFTの2つがあった。
また2016年2月には86の前期型初代モデルの最終モデル的存在となる、イエロー以外のボディカラー数色が選べるエアロパッケージも設定され、エアロパッケージ、エアロパッケージFTともにボディカラー以外はイエローのみのときと共通だった。
エアロパッケージは中古車市場に原稿執筆時点で4台が流通しており、価格は258万円、259万円、272万円、329万円と、やはり標準車に対し絶対額は高い(=値落ちが少ないということだ)。
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