Sunday, August 22, 2021

乃木坂46大園桃子ラストライブで見せた齋藤飛鳥との絆、笑顔で届けた最後の「逃げ水」(ライブレポート / 写真7枚) - 音楽ナタリー

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乃木坂46の全国ツアー「真夏の全国ツアー2021」福岡・マリンメッセ福岡の2日目公演が本日8月22日に行われた。

大園桃子(乃木坂46)

大園桃子(乃木坂46)

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乃木坂46

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「真夏の全国ツアー2021」は乃木坂46にとって、約2年ぶりの夏ツアー。今回は事前に募ったリクエストをもとにシングル表題曲、カップリング曲、アンダー曲、ユニットおよびソロ曲といった各カテゴリーのトップ10を選出する結成10周年特別企画「夏ツアーで聴きたい曲TOP10」が行われ、彼女たちの10年の歴史を詰め込んだ“夏ツアーベストセットリスト”でライブが繰り広げられている。福岡公演2日目は、9月4日をもってグループから卒業、芸能界を引退する3期生の大園桃子の卒業セレモニーを兼ねた公演で、アンコールはグループの絆を感じるステージとなった。

このツアーでは開演前に各地域の出身メンバーによるオープニングトークが行われており、本日は九州出身の与田祐希、吉田綾乃クリスティー、大園桃子、沖縄出身の伊藤理々杏が前説を担当した。本公演をもってグループを卒業する大園は「緊張しすぎてこのライブが来てほしくないと思ってる。けどがんばる! いつも通りがんばれることをがんばろうと思います」と、3期生メンバーに囲まれながら意気込みを語った。

左から齋藤飛鳥、遠藤さくら、山下美月。

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「ライブ2日目たくさんたくさん思い出作って最高な1日にしましょう!」と先陣を切ってステージに現れたのは遠藤さくら。彼女をセンターに乃木坂46は「太陽ノック」でライブをスタートさせた。高山一実が「皆さん、そっと目を閉じてみてください。そして夏の風を感じてください。あ、いか焼きの香りがしてきた!」と言うと、「ロマンティックいか焼き」が始まる。ダブルセンターを務める高山と秋元真夏は2人で“桃マーク”を作って見せた。「あらかじめ語られるロマンス」では、センターの齋藤飛鳥と星野みなみはトロッコでアリーナへ。「13日の金曜日」は北野日奈子がセンターポジションでパフォーマンスをリードし、キュートなダンスで盛り上げた。乃木坂46のサマーライブには欠かせない「裸足でSummer」も開始早々に披露され、曲中でセンターポジションの齋藤が手を挙げると「夏ツアーで聴きたい曲TOP10」表題曲部門1位に輝いた楽曲であることがビジョンにて発表された。昨日のアンコールで初披露された新曲「他人のそら似」は乃木坂46の結成10周年を記念して制作された楽曲。1stシングル「ぐるぐるカーテン」から27thシングル「ごめんねFingers crossed」までの振付を取り入れたダンスで10年の歴史を感じさせた。

秋元がラーメンの食べすぎでむくんでいるという話題で盛り上がったあと、星野みなみは「桃ちゃん! まさか見送るとは思ってなくてまだ嘘かなって……」と妹のようにかわいがっていた大園の卒業を受け入れられない様子で話す。3期生として乃木坂46に加入後すぐにシングル「逃げ水」で大園とダブルセンターに抜擢された与田祐希は「ツアーが始まって桃ちゃんとの思い出を思い返していたんだけど、一番は『逃げ水』の期間。一緒につらいことも楽しいことも戸惑うことも――ウミガメを探したりね(笑)――いっぱい経験して……まだ泣かないよ」と目に涙をいっぱい溜め、大園も「泣きそう……」と今にも泣き出しそうな顔でつぶやいた。続けて与田は「『逃げ水』を今後ライブで披露するときに桃ちゃんがいない『逃げ水』を思うとつらいんだけどどうしたらいいかな……」と言うと、大園は「ごめんね」と謝る。与田は「気持ちは一緒にいると思ってずっとやっていくし、今日は最後まで噛み締めながらがんばろうね」と自分と同じように涙をこぼす大園にメッセージを送った。加入当初、久保史緒里と手紙交換をしていたという大園は、久保が手紙をやり取りをしていたことを忘れていたことを指摘。久保は「こればっかりは問われるとごめんなさいとしか言えない(笑)。渡せない手紙をたくさん書いていて、桃子には10枚くらいあるから卒業までに全部渡せたらと思います」と懺悔しつつ、大園への思いをしたためた手紙を彼女がグループを離れるまでにすべて渡すことを約束した。

ボックスを使ったパントマイムパフォーマンスを経てアンダーメンバーは「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた」を披露。「~Do my best~じゃ意味はない」は岩本蓮加がセンターポジションを務め、12人でしっとりと歌い上げた。続いてステージに現れたのはドラマ / 映画「映像研には手を出すな!」に出演していた齋藤、梅澤美波、山下美月のトリオ。3人は「夏ツアーで聴きたい曲TOP10」ユニット曲部門1位の「ファンタスティック3色パン」を歌唱した。曲中では「お返しルーレット」なるファンへの感謝企画も実施され、“3色パン”の札を引いた齋藤が「ぶりっ子萌えセリフ」を披露することに。「本当に無理……」とステージセットに隠れた齋藤だったが「飛鳥さんなら余裕ですよね?」と梅澤に言われると「感謝を伝えに今日来てるんだから! これをやりに今日福岡に来てるんだから!」と自身を鼓舞し、「飛鳥ちゃんね、大好きだお!」と“ぶりっ子萌えセリフ”を放って膝から崩れ落ちる。「ちょっと古いかな……“だお”って……」と立ち上がった齋藤は最後まで「ファンタスティック3色パン」を歌い、今度は星野と2人で「制服を脱いでサヨナラを…」を熱唱した。

乃木坂46 4期生。

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期ごとの楽曲を披露するコーナーは2、3期生による「空扉」で幕開け。生田と星野がダブルセンターを務める「Against」では1期生が真っ赤な照明の中で貫禄のあるパフォーマンスで観客を魅了した。花道いっぱいに広がった4期生は「I see...」を歌唱。キメパートでは「桃子さんのことが大好きだ!」と先輩の大園へエールを送った。3月にグループを卒業した堀未央奈がセンターを務めていた「アナスターシャ」は北野日奈子と新内眞衣のダブルセンターで披露。3期生楽曲「トキトキメキメキ」では、メンバーたちがたくさんの“桃マーク”を作り大園への愛を伝えた。「夏ツアーで聴きたい曲TOP10」カップリング部門1位の「ひと夏の長さより…」は1期生と4期生が、期を越えたコラボレーションで会場を沸かせた。

4期生が1期生に質問するコーナーでは、柴田柚菜が星野に「後輩たちに伝えていくべきことは?」と問いかける。星野は「自然と“乃木坂らしさ”が受け継がれている気がするけれど、1期生の中だとお互いを褒め合うことかな。みんなのいいところを褒め合うことをやっていってほしい」と柴田にアドバイスした。松尾美佑から生田への質問は「観客と目が合うと恥ずかしくなってしまう。どうしたらそれを改善できる?」というもの。乃木坂46以外でもミュージカル出演などで多数ステージを踏んでいる生田は「最初は『私のことなんぞ知らないかも』と思っていたけど、あるときから初めての人のことも『ひさしぶり』っていう感じで見るようになったら緊張しなくなった」と後輩にアドバイスを送った。賀喜遥香は改めて1期生メンバーの好きな食べ物を聞き、和田まあやはレバー、高山はターフェルシュピッツ、星野はスイカ、秋元はマカロンと回答。齋藤の番になると生田が「お願い! 初期のキャッチフレーズあったじゃん! やってよ!」とおねだりし、齋藤は渋々「いちごみるくが大好きな齋藤飛鳥です。いちごみるくをくれるとものすごい勢いで懐いちゃうよ!」という昔のキャッチフレーズを披露し、「しんどいわー」と照れた。生田も「どんどんいくどん生田どーん!」と過去のキャッチフレーズを披露。樋口は「私はね、数の子」と数の子が好きであることをアピールした。

左から大園桃子、遠藤さくら。

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「逃げ水」を披露する乃木坂46。

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ネイビーの星柄ドレスを着た岩本、与田、久保、清宮レイ、田村真佑、筒井あやめ、早川聖来が「他の星から」を披露したあと、ステージには大園と遠藤の2人がアコースティックギターを抱えて登場。2人は最後の披露となる「友情ピアス」をギターを弾きながら噛みしめるように歌い、やわらかなハーモニーを響かせた。アンダーメンバーによる「生まれたままで」、そこに樋口が加わった「My rule」を届けたところで、VTRにて選抜メンバーによるパフォーマンスが始まることが告げられる。パワフルな歌と群舞で見せる「世界で一番 孤独なLover」、生田の美声で始まる「何度目の青空か?」を披露したあと、大園と与田がダブルセンターを務める「逃げ水」へ。2人は涙をこらえた笑顔でギュッと手を握り合い、花道を歩く。最後まで涙をこらえながらパフォーマンスをした2人だったが、最後は涙を流してアリーナの中央で抱き合った。

しんみりした空気を山下は「桃子ー! ありがとう!」という力強い感謝の言葉でぶった切り、涙を吹き飛ばすほどの勢いのあるアッパーチューン「ガールズルール」のパフォーマンスへと導く。最後に乃木坂46は遠藤がセンターを務める「ごめんねFingers crossed」を披露。歌う前に遠藤はセンターに抜擢されたプレッシャーやセンターを務めて変われた自分について語った。

大園のこれまでのキャリアをたどる映像が流れたあと、1人ステージに現れた彼女は思いをつづった手紙を開く。その手紙をお守りのように持ち、グループのことをよく知らないままに先輩の勧めで乃木坂46のオーディションを受けて合格し3期生になったこと、乃木坂46というグループに憧れて加入したメンバーに罪悪感を抱きながら活動してきたこと、心ない言葉を受けて不安に押しつぶされそうだったこと、そんな自分に嫌気がさしていたことなど、この5年間で感じた思いを吐露した。卒業を目前にした今、ようやく「乃木坂46にいることができてよかった」と思えるようになったという大園。「みんなとは違う気持ちで乃木坂46に入りましたが、5年間の活動を終えて私は“乃木坂46になる”ことができました。これは表面的な意味ではありません。周りの力を借りながらではありますが、私は5年間がんばってきたんだと自信を持ってそう思えるようになったからです。人はこんなにも変われるんだと驚くほどに明るく物事を考えられるようになり、明るい気持ちで卒業できることをうれしく思います。乃木坂46に入ってうれしいことやつらいことを経験して、大好きなみんなと一緒に過ごせたこの5年間をずっと宝物にしたいと思います。本当にお世話になりました。今までありがとうございました。私は乃木坂46が大好きです」と、メンバーやファンに囲まれて過ごした5年間で変われた自分に胸を張った。

抱き合う大園桃子と齋藤飛鳥。

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アンコールでは大園がすべての楽曲でセンターを務め、「三番目の風」「思い出ファースト」「やさしさとは」「孤独な青空」「転がった鐘を鳴らせ!」「乃木坂の詩」の6曲が披露された。2018年の「真夏の全国ツアー」では齋藤と2人で歌った「やさしさとは」は、今回は40人で歌唱。大園に寄り添った齋藤は「桃子、卒業おめでとうを言う前に直接ずっと言いたかったことがあります。桃子が『乃木坂も悪くないな』って言ったとき、普通に聞いたら多分『どの立場で言ってるんだ』と思うあの言葉。当時は私はほかの人よりほんのちょっとだけ桃子の近くにいたから桃子があの言葉を言ったときの気持ちが痛いほどよくわかりました。あのときあんなに近くにいたのになんで私の力で『乃木坂っていいな』と思わせられなかったんだろうってずっと心残りでした。力不足な先輩で本当にごめんね。最近楽しそうに活動している桃子を見てすごくうれしく思っていました」と心に秘めていた思いを明かす。そして「今日ここではじめて言わせてください。桃子、よくがんばったな。卒業おめでとう」と泣きじゃくる大園を抱きしめる。落ちサビを歌ったあとも、齋藤と大園は肩を震わせながら2人で抱き合った。

「孤独な青空」「転がった鐘を鳴らせ!」をトロッコで移動しながら歌った大園は、メインステージでメンバーと合流。ピンクとグリーンのサイリウムで埋め尽くされ“桃子色”に染まったアリーナを見た大園は「もう終わっちゃったんだと思うと寂しいですけど、悔いなく楽しめました」と胸いっぱいの表情を見せる。4期生からは筒井、2期生からは北野が期を代表して大園にメッセージを送り、1期生代表の齋藤が「私はさっき話したからもういいかな」と言うと、大園は「桃子のこと好きだけでいいですよ」と齋藤に言葉をおねだり。2人は「桃子は私のことが?」「大好きですよ。飛鳥さんは?」「私は桃子も桃子の父ちゃんも母ちゃんも弟もみんな大好き」「その中でも桃子が一番?」「桃子が一番大好き!」というやり取りを繰り広げた。同期の梅澤は「桃子はアイドルというものをあまり見ずにここに来たから自分とアイドルとのギャップにすごく悩んできたと思います。でも桃子は誰よりもステージが似合う最強で最高にかわいいアイドルだったと思います。もうちょっと早く卒業するタイミングがあったかもしれないけれど、ここまで続けてくれて本当にありがとう」と大園への思いを語る。そして何度も卒業を引き止めたことを明かしつつ「私たち3期生は11人になってもがんばるからずっと見ててね。そして誰よりも幸せになってください」と大園にエールを送った。

リーダーの秋元は「桃子は10年間で出会ってきたアイドルの中で一番人間味のあるアイドル」と大園についてコメント。彼女の飾らないキャラクターのおかげで本音を話せたことや救われたことが何度もあったことを大園本人に伝え「まさか3期生を送り出すとは思っていなかったけど、乃木坂を好きになるまでやってくれてみんなありがとうって思ってる」と感謝の思いをも述べた。最後に乃木坂46は「乃木坂の詩」を披露。仲間たちに囲まれた大園は曲中に「本日は本当にありがとうございました!」と叫ぶ。そしてメンバーたちとお辞儀をして顔をあげるとそこには「桃子5年間ありがとう」というメッセージボードがアリーナ中に掲げられていた。ファンからのサプライズに感激しながら大園はステージをあとに。そのまま規制退場になるかと思いきや乃木坂46はダブルアンコールを実施。2度目の「逃げ水」でパフォーマンスは締めくくられた。晴れやかな表情の大園は「本当にもう思い残すことはないです。これまで皆さんにはたくさん心配をかけてきたんですが、これからはそんなに心配せずに『遠くでがんばってるかな』って思ってくれたら。本当に今までありがとうございました」とファンへメッセージを送り、ステージを去った。

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乃木坂46「真夏の全国ツアー2021」2021年8月22日 マリンメッセ福岡 セットリスト

00. OVERTURE
01. 太陽ノック
02. ロマンティックいか焼き
03. あらかじめ語られるロマンス
04. 13日の金曜日
05. 裸足でSummer
06. 他人のそら似
07. あの日 僕は咄嗟に嘘をついた
08. ~Do my best~じゃ意味はない
09. ファンタスティック3色パン
10. 制服を脱いでサヨナラを…
11. 空扉
12. Against
13. I see...
14. アナスターシャ
15. トキトキメキメキ
16. ひと夏の長さより…
17. 他の星から
18. 友情ピアス
19. 生まれたままで
20. My rule
21. 世界で一番 孤独なLover
22. 何度目の青空か?
23. 逃げ水
24. ガールズルール
25. ごめんねFingers crossed
<アンコール>
26. 三番目の風
27. 思い出ファースト
28. やさしさとは
29. 孤独な青空
30. 転がった鐘を鳴らせ!
31. 乃木坂の詩
<ダブルアンコール>
32. 逃げ水

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※記事初出時、キャプションの一部に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。

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